「画面の裏側」を持っていたのは私のほうだった
画面を見つめながら気付きました。友人の本当は、SNSのキラキラから少しはみ出ただけの、地続きの毎日でした。一方で、私の本当は、SNSのキラキラからはるか遠いところにある別の景色です。本当に「画面の裏側」を抱えていたのは、聞かれた友人ではなく、聞いた私のほうでした。「私、本当のあなたを知らなかったんだね」。気付いたら、そんな言葉が漏れていました。声の裏側に、自分自身に向けたつぶやきが混じっていたのは、たぶん友人には気付かれていません。打ち明けようと思って投げた話題が、いつの間にか自分の正体をすくい上げる網になっていました。
そして...
カフェを出て10分ほど歩き、駅のホームで電車を待ちながら、友人に短いメッセージを送りました。「今度から本当の話もしようよ」。書きながら気付いたのは、私が一度も友人と本当の話をしてこなかったということでした。友人のカメラロールにあったあの写真の一枚一枚は、私からすれば「自慢にもならない毎日」かもしれません。
でも、誰かに見せられる真実を持っていることが、いまの私にはどれほど大事なものか、わかってしまったのです。次に会うときは、私のほうから「実は」と切り出してみようと思います。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
