日本において印刷業は、情報を広く安く伝える役割を担い、あらゆる文化や知識の発展に貢献してきた。しかし、そんな印刷業が大きな転換期を迎えている。
廃業230件・倒産91件 年間300件超が市場から撤退
帝国データバンクが5月7日に発表した「印刷業」の倒産・休廃業解散動向(2025年度)によると、同年度の印刷業の休廃業・解散(廃業)は230件と、年間で最多を更新し、倒産(法的整理、負債1000万円以上)の91件を合わせると、年間で300件超の印刷業者が市場から撤退している。
デジタル化による「ペーパーレス化」の進展と、紙やインクなどの資材の高騰、代表者の高齢化が深刻といった経営課題を抱え、事業継続を諦める印刷業者が増えているという。
紙需要の消失が経営体力をむしばむ
「近年はインボイス制度の導入による紙での伝票・帳簿印刷の需要減や、アプリやSNSの台頭によるチラシ・DMの需要減に直面し、紙需要の消失が経営体力をむしばんでいます。加えて、印刷用紙やインクなど印刷資材の高騰、電気代、物流費、人件費といったあらゆるコストが高騰する中、印刷需要の減少で失注を恐れて、コスト上昇分を販売価格に転嫁できず、利益が出ない受注が常態化したことで、事業継続を諦める印刷業者が増加したとみられます」(帝国データバンク担当者)
