分かち合えないのだろうか
家に帰っても、あの「一枚だけ」が耳に残っていました。付き合って一年、彼が私の好きなものに興味を示してくれたことは、正直あまりなかったように思います。前に二人で映画を観たときも、彼はどこか上の空でした。だからこそ、この作品だけは一緒に観たかった。私が大切にしてきたものを、彼にも知ってほしかったのです。それなのに、彼は一人分のチケットだけを手に、何も説明してくれませんでした。好きなものを分かち合えない相手と、これからどう歩いていけばいいのだろう。答えの出ない問いばかりが、ぐるぐると回っていました。
そして...
結局、私はそれ以上聞けないままです。問い詰めれば、きっと答えは返ってきたのだと思います。でも、それで出てくる言葉が怖かったのかもしれません。
彼が一枚のチケットに込めた意味を、私はまだ知りません。ただ、これだけ気持ちが揺れるのは、彼との時間を手放したくないからだと、自分でも気づいていました。次に会えたら、今度はちゃんと聞いてみようと思います。私の大好きなものの話を、彼の口からも聞きたいから。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
