社会保険や税金は、情報があふれている一方、実際に自分では何をどうすればいいのか、なかなか分からないものです。特にフリーランスや副業をしている人にとっては、制度が複雑で、どこから手をつければいいのか悩むことも多いはず。だからこそ、ポイントを絞って「これだけは確認しておこう」という手引があれば、とても心強いですよね。
そこで本連載では、社会保険労務士として多くの事例を見てきたAさんが、押さえておきたい基礎知識をやさしく解説。第11回は「仕事中の体調不良」がテーマです。知らずに損をしないためにも、ぜひ一度確認してみてください。
( Index )
- 仕事中の体調不良と労災保険
- 労災申請するには
仕事中の体調不良と労災保険
これからの梅雨や猛暑の時期、仕事中や通勤中の急な体調不良により、病院を受診することがあるかもしれません。そんな時、「労災保険制度」によって、自己負担なく治療が受けられる可能性があることをご存知でしょうか。
労災保険は、会社に雇用されている全ての労働者が対象です。正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣社員も含まれます。派遣社員の方は、派遣元の会社で加入しています。
業務委託で働くフリーランスの方は、原則として会社の労災は対象外となります。ただし、2024年11月より、業務委託のフリーランスの方は業種を問わず、ご自身で労災保険に「特別加入」することができるようになりました。
仕事に関係するタイミングで熱中症や貧血などの体調不良が起きた際、その状況によって労災(業務災害・通勤災害)の対象か・対象外かの判断が分かれます。
最終的な判断は労働基準監督署が行いますが、一般的な目安は以下の通りです。
(1) 業務の外出中・出張中
仕事の用事で移動している間や、出張先での業務中・宿泊中の行動は、基本的に業務災害として認められる可能性が高いです。ただし、出張中に個人的な観光など私的な行動をしていて体調を崩した場合は、対象外となる可能性が高いので注意しましょう。
(2) 通勤中
自宅と会社の往復、または外出先への移動中に体調を崩した場合は通勤災害の可能性があります。合理的な経路であることが重要なポイントであり、寄り道の理由も通勤災害の判断基準となります。健康のために最寄り駅より手前の駅で降車して徒歩で移動する方もおられると思いますが、状況によっては通勤災害の対象外となる可能性があります。
(3)休憩中
休憩時間は自由利用が原則のため、一人で外食中などに体調を崩しても、基本的には業務災害とは認められにくい傾向にあります。ただし、社内の施設(食堂やオフィス)の不備が原因であれば、認められる可能性があります。

