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九州工業大学が挑む超小型衛星「VERTECS」 宇宙の歴史を探る大学の挑戦

H3ロケットで宇宙へ VERTECSが挑む“次のステージ”

北村 健太郎 センター長

VERTECSは、完成して終わりではありません。今後は衛星の引き渡しを経て、2026年6月10日に予定されているH3ロケット6号機によって打ち上げられる予定となっています。

つまり、九州工業大学で進められてきた研究や開発が、いよいよ本当に宇宙へ送り出されようとしているのです。
今回使用されるH3ロケットは、日本の新たな主力ロケットとして期待されている存在です。これからの日本の宇宙輸送を担うロケットとして注目されており、人工衛星や探査機などを宇宙へ運ぶ役割を担っています。

そのロケットに、大学による超小型衛星が搭載されるという点にも、大きな意味があるように感じられます。
かつて宇宙開発は、一部の国家機関や巨大プロジェクトだけが関わる特別な世界というイメージが強くありました。しかし現在は、衛星技術の進化や小型化によって、大学や研究機関による挑戦も広がり始めています。VERTECSも、そんな時代の変化を象徴する存在のひとつと言えるのかもしれません。

また、超小型衛星には、大型衛星とは異なる魅力もあります。開発期間やコストを抑えながら、新しい技術や研究テーマへ挑戦しやすい点です。そのため、若手研究者や学生たちが実践的な宇宙開発へ関わる機会も増えています。

そして6月10日の打上げは、VERTECSにとって“ゴール”ではなく、本当のスタートでもあります。宇宙空間での観測が始まることで、これから新たな研究成果や発見につながっていく可能性も期待されています。
小さな衛星が宇宙へ向かう姿の先には、日本の宇宙研究の未来や、次世代の研究者たちの夢も広がっているのかもしれません。

宇宙研究は、一部の特別な人だけのものではない

佐野 圭 助教

VERTECSプロジェクトの魅力は、宇宙観測そのものだけではありません。大学という教育の現場で、実際に人工衛星開発へ挑戦できる点にも、大きな意味があります。

学生たちにとって、“自分たちの関わった研究が本当に宇宙へ行く”という経験は、特別なものではないでしょうか。実際に人工衛星の開発や運用に触れられる環境は、次世代の研究者や技術者を育てる貴重な機会にもつながっていそうです。

また、こうした取り組みは、宇宙を身近に感じるきっかけにもなります。ニュースでロケット打上げを見るだけではなく、「大学でこんな研究が行われている」「日本の学生や研究者が宇宙へ挑戦している」と知ることで、宇宙開発への見え方が少し変わる人もいるかもしれません。

特にVERTECSのような超小型衛星プロジェクトには、“限られた環境の中でも挑戦を形にしていく面白さ”があります。限られたサイズの中へ観測機器や制御技術を詰め込み、宇宙空間でミッションを行う。その発想や技術力からは、日本のものづくりらしさも感じられます。

そして今回のVERTECSプロジェクトからは、「宇宙をもっと知りたい」という純粋な探究心も伝わってきます。宇宙の歴史や星の成り立ちといった壮大なテーマへ、大学から挑戦し続けていること自体に、ロマンを感じる人も多いのではないでしょうか。

大学から始まる宇宙への挑戦は、まだ始まったばかりです。これからVERTECSがどのような観測を行い、どんな成果につながっていくのか。打上げ後の展開にも期待が高まります。

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