店長に呼ばれた朝
2週間後の月曜日、出社すると店長から呼ばれました。机の上には、ネットの口コミの印刷が一枚置かれていました。「これ、お前の対応のことだろう」そこには、あの土曜日に来店した女性が、丁寧な文章で店での対応を書き残していました。
「お一人で決められるんですか?」というセリフも、はっきりと書かれていました。さらに店長は続けました。「向かいの店で、その日のうちに1LDK決めたらしいよ。16万円の物件」俺は何も言えませんでした。気遣いだと思っていたものが、実は相手を値踏みしていただけだったと、突きつけられた朝でした。
そして...
あの日、俺が彼女に渡したチラシは、彼女のためのものではなく、自分の偏見を確認するためのものでした。「20代女性、ひとり、パーカー」という表面だけを見て、勝手に物語を作り上げていたのです。
今では新人にもよく言います。お客さんが自分で決めたい予算を、こちらが勝手に下げてあげるのは親切じゃない、と。あの土曜日の時間で失ったのは、たぶん契約1件分の数字なんかじゃありませんでした。
(20代男性・不動産仲介営業)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
