最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「ますます結婚と子育てが遠のく…」奨学金の貸与利率が急上昇で若者が悲鳴「返済総額にすると数十万円も変わる」

「ますます結婚と子育てが遠のく…」奨学金の貸与利率が急上昇で若者が悲鳴「返済総額にすると数十万円も変わる」

長期金利の上昇が続くなか、その影響は若い世代にも及んでいる。独立行政法人日本学生支援機構が運用する奨学金制度のうち、貸与型の「第二種奨学金」は有利子で借りる制度だが、令和8(2026)年4月に貸与終了となる利用者では2.722%(利率固定方式)となっており、近年では異例の高水準を記録している。

第二種奨学金は貸与終了月の利率が適用される仕組みのため、在学中の金利上昇によって返済総額が大きく変わる可能性がある。物価高や学費上昇が続くなか、奨学金に頼らざるを得ない学生も少なくない。返済負担はどこまで重くなるのか。専門家らに現状と課題について聞いた。

「借りるのを躊躇される方が出てくるのではないかと危惧しています」

奨学金の金利がかつてないペースで上昇している。

独立行政法人日本学生支援機構の奨学金には、返済不要の「給付型奨学金」と、返済が必要な「貸与型奨学金」がある。

貸与型には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金が存在する。

第二種奨学金の貸与月額は2万~12万円。同機構が公表している「奨学金事業に関するデータ集(令和8年1月)」によれば、平均貸与総額は336万円、平均返還年数は17年にのぼり、若い世代にとって大きな負担となる。

2020年4月から始まった高等教育の修学支援新制度に基づく給付型奨学金は返済不要という大きなメリットがある一方、多子世帯など対象が限定されているため、比較的利用しやすい第二種奨学金を選ぶ学生はいまも多い。

そうしたなかで進むのが、利率の上昇だ。

第二種奨学金は貸与終了月の利率が適用される仕組みのため、在学中の金利上昇によって返済総額が大きく変わる可能性がある。

奨学金返済の問題に取り組む「奨学金問題対策全国会議」事務局長の鴨田譲弁護士は、近年の金利上昇について次のように説明する。

「第二種奨学金の金利を同機構のホームページに掲載されている金利の一覧表で見ると、令和3年度と令和8年度で比べると10倍ぐらいになっています。

私たちがこの活動を始めたのは13年ほど前ですが、始めてから数年はずっと低利率でした。それがここのところで急激に上がり、返済総額にすると数十万円も変わってくるような水準になってきています」

奨学金の利率の上限は3%と決められているが、現状ではもはや上限に近い水準となっている。

こうした状況を受け、懸念されることとして「借り控え」の可能性を同弁護士は指摘する。

「返済総額が数十万円増えるという報道もあり、借りるのを躊躇される方が出てくるのではないかと危惧しています。

奨学金は、ご自身やご家庭が裕福でない方が借りて進学するためのものですが、『返せないから借り控える』という動きが出てしまうと本末転倒です」

では、求められる対策とは何か。

同弁護士は「学費値上げへの対応」と「給付型奨学金の拡充」を挙げる。

「今は国立大学でも授業料引き上げの動きがあります。それを下げるのが最も大事ですが、実際は逆行しています。

政府も積極財政の方針を打ち出していますので、金利上昇分については国が補助するなどの方法による解決が望ましいと思います。

また海外では返済不要の給付型支援が充実している国も多く、日本でも給付型奨学金をもっと拡充すべきです。

大学卒業後も非正規雇用で働く若者は少なくなく、そこまで賃金も上がっていないのではないでしょうか。

国が学費負担を下げる、あるいは奨学金を増やすという形で対応するしかないのではないかと考えます」

「今は大学生の半数程度が奨学金を借りています」

さらに、鴨田弁護士は救済制度の周知の必要性も訴える。

「少しずつ改善されてきてはいますが、奨学金を返せなくなった場合の救済制度などについてはあまり周知されてきませんでした。

我々としても、奨学金を利用すると将来的に不利益を被る、と言うつもりはありません。

正しく理解していただいたうえで自分の判断で選んでいただく、そして万が一返済できなくなったときのことを考えておくことも大切だと考えています」

こうした現状は、実際に奨学金を利用する若い世代にどのような影響を与えているのか。

若者の声を政治に反映させることを目指して活動する「日本若者協議会」代表理事の室橋祐貴氏は、奨学金を取り巻く状況について次のように話す。

「今は大学生の半数程度が奨学金を借りています。また、この10年ほどで授業料が上がっていることから、奨学金を借りる金額も上がっています」

室橋氏が指摘するように、何らかの奨学金を受給している学生の割合は大学学部(昼間部)で51.1%とおよそ半数にのぼる(令和6年度「学生生活調査結果」日本学生支援機構)。

その背景には、親世代の経済的な余裕のなさもあるという。

「以前よりも、『(学費は)自分で払うものだよね』といった感覚が学生の間に浸透してきていると感じます。

今の学生の親世代は、いわゆる就職氷河期世代とも重なるため、親にも余裕がないですし、実際に仕送り額もすごく減ってきています。

今の高校生や大学生はみんな奨学金を借りる前提、自分で授業料を払うのが前提ですから、国公立大を目指す子も多くいます。

とはいえ、東大をはじめとする国公立大学の授業料も引き上げが相次ぎ、私立文系で年間80万円とか普通に超えてきます。私が学生だった頃と比べても10万ぐらいは上がっており、かなり厳しくなってきていると思います。

物価高騰に賃上げが追い付かず、社会保険料なども上がってきているなかで、手取りの金額に余裕がなくなってきています。

そこにさらに奨学金の返済がのしかかると、ますます結婚したり子どもを持ったりする余裕がなくなります。

そこに対して政治が何か対策を講じる必要があるのではないか。そうしたことも含めて、まだ議論も広がっていないと感じています」

提供元

プロフィール画像

集英社オンライン

雑誌、漫画、書籍など数多くのエンタテインメントを生み出してきた集英社が、これまでに培った知的・人的アセットをフル活用して送るウェブニュースメディア。暮らしや心を豊かにする読みものや知的探求心に応えるアカデミックなコラムから、集英社の大ヒット作の舞台裏や最新ニュースなど、バラエティ豊かな記事を配信。

あなたにおすすめ