「ライダーキック!」といって長谷さんに飛び蹴り
川口被告が長谷さんの財布を漁り、クレジットカードを奪い取ると、川村被告と八木原被告が現場を離れコンビニエンスストアへ向かい、長谷さんのカードで煙草を購入。午前0時、二人が現場に戻ると再び、暴行が始まった。
「その際、『指紋が残るから』という理由で長谷さんはAらによって全裸にされている。さらに川口被告は全裸の長谷さんに対し、髪の毛や体毛に火をつけ、『いい感じに燃えてきたぞ』などと囃し立てる残忍な行為を行なっていた。Aや他の少年も、長谷さんの顔面を殴る、蹴るなどの暴行を加え続けたと言います」(同前)
この時、長谷さんは目が見えない状態だったのか、「亜麻ちゃんいますか?」と八木原被告を探していたという。しかし八木原被告は少年らの蛮行を止めることはなく、むしろ「もっとやって」と煽っていたという。川村もまたそれに応えるように、長谷さんの胸や背中を踏みつけたと自身で証言している。
「瀧澤被告は裁判でその時の八木原の様子を、『目の前で彼氏がやられているのにのんきに笑っていたのが怖かった』と語っていた。瀧澤被告はこの時、『ライダーキック!』といって長谷さんに飛び蹴りしているが、その理由について『川口被告にやってと言われたから』『楽しい雰囲気に、暴力をふるってもいいとはなったのかもしれない』などと語っている」(前出・社会部記者)
その後、川口被告は長谷さんを脅し、キャッシュカードの暗証番号を言うように強要。長谷さんが番号を言い、瀧澤がメモすると、息絶え絶えの長谷さんをそのまま放置し、6人はその場を立ち去った。
この時、暴行が始まってからおよそ2時間が経過していた。
「川村は八木原を送り届けた後、現場に戻り、川口被告ら4人を乗せて札幌市内へ移動。中央区内のコンビニエンスストアに到着すると、川口被告が長谷さんのキャッシュカードで12万7000円をATMから引き出すと、全員で山分けした。そして一度、現場の公園に戻った後、ラーメン店に向かったと言います」(同前)
集英社オンラインが取材したAの知人によると、この時Aは事件とは無関係の友人を誘っていたのだという。
「事件の数時間後、自分の友達にA君から『今日ヒマ? ラーメン喰い行こうよ』って電話がかかってきたそうなんです。友達はその日行けないからと断るとA君は『じゃあ11月に行こう』って言ってたみたいで……。重大な事件起こしておいてすごいなって……」
八木被告が出頭すると責任のなすり付けあいがはじまった
凄惨な暴行を働いた後とは思えない、あまりにも日常的なやり取りだ。裁判では、さらに事件後に被告らがグループLINEで交わした会話も明かされた。
「事件直後の26日4時頃、川口被告は『お疲れ様、今日は楽しく終わったと思います』などとグループLINEに投稿しています。しかしその後、八木原被告が出頭したことがわかるとグループLINEの雰囲気は一転。
川村被告が『(八木原を)ボッコボコのめっためたにしてやる』と言えば、川口被告も『俺も連れて行け。ヤキ入れたい』と応じ、Aも『もっとやれって言われただけ』『捕まったのも亜麻、止めなかったのも亜麻、言ったのも亜麻』と責任を押し付けるような発言を繰り返している」(前出・事件記者)
通行人が公園の遊歩道で倒れている長谷さんを発見したのは、朝6時頃。長谷さんは救急搬送されるも、出血性ショックで死亡が確認された。検察によると、長谷さんは外傷性くも膜下出血、腰椎の骨折などの重傷を負っており、腎臓損傷などで、血液の20~30%が失われていたという。
今後の裁判の焦点となるのは、現在審理中の3人を含む6人に課される量刑だ。強盗致死罪は数ある犯罪の中でも極めて重い罪とされ、刑罰は死刑または無期拘禁刑に限られている。
「一方で少年法では、無期拘禁刑をもって罰せられるべきであっても有期刑を科すことができるとも書かれており、川口被告、瀧澤被告ら特定少年とA、Dの少年らにどのような判決が下されるかも注目されている。
ポイントは誰が、どの程度、暴行に加担し、長谷さんを死に至らしめたか。検察が『全員の共同責任』とする一方、弁護側は『主犯格とされる川口被告に同調しただけで、積極的に加害する意識はなかった』と主張している」(同前)
しかし、長谷さんが受けた暴力は「未成年だったから」「やれと言われたから」などという言い訳では到底納得できないほどに理不尽で残酷だった。3人の判決は6月25日に言い渡される予定だ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

