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ドバイで「ネイル1回8万円」でも予約殺到…現地の富裕層女性を熱狂させた日本人ネイリストの正体

ドバイで「ネイル1回8万円」でも予約殺到…現地の富裕層女性を熱狂させた日本人ネイリストの正体

ドバイを拠点に、中東諸国や欧米など世界13か国+計150回以上で出張ネイリストとして活躍する森下ひかるさん。顧客の9割以上が現地のムスリム女性であり、1回あたり平均5万円から8万円という高価格帯ながら、唯一無二の独創的なデザインで熱狂的な支持を集めている。
彼女はいかにして中東ナンバーワンと言われるネイリストとなったのか。そして、独自のファッションスタイルやオリジナルキャラクターの展開など、多岐にわたるクリエイティブ活動の原動力に迫る。(前後編の前編)

「商社の社長秘書」と「深夜のネイリスト」

認知度、そして価格帯も「中東ナンバーワン」と言われるネイリスト・森下ひかるさん。顧客は9割以上が現地のムスリム女性だ。現在はドバイ在住で、現地に住み始めて11年目になるという。そんな森下さんに、ここまでの経緯と、そのクリエイティビティについてきいた。

――現在、ドバイを拠点に世界中でネイリストとしてご活躍されています。学生時代からネイルの専門教育を受けてこられたのでしょうか?

森下ひかる(以下、同) 元々ネイルアートに興味があったのですが、その方面の専門学校に行きたいと両親に相談するも反対されまして…。一旦はネイルアートをあきらめて、大学に進学したんです。

当時から、英語が得意だったので、国際的な学部に進みました。ただ、机の上の勉強は今の仕事には全く繋がっていませんね(笑)。

――ドバイにはどういった経緯で渡ったのですか。

大学を卒業後、ドバイに拠点がある小さな貿易会社に就職しました。現地の交渉役として、「英語が話せる日本人がほしい」ということで白羽の矢が立ち、2016年からドバイに住むことになりました。

当時は新卒のペーペーでしたが、インドネシアにイスラム教徒向けの『ハラル食品(イスラム教の戒律で許された食品)』専用工場が新設されたニュースを見て、すぐに動きました。社長への提案から海外企業へのメール交渉まで自ら行ない、ある大手日系製菓会社の独占販売契約を中東で獲得したのも、実は私なんですよ。

その後、日本の大手商社のドバイ支店に転職し、2019年から2022年まで約3年半、社長秘書をしていました。

――有名商社の秘書から、どのようにしてネイリストになったのですか?

秘書になった2019年あたりから、空いている時間や休みの日に独学でネイルの勉強を始めました。最初の頃は社長秘書をしながら、副業としてネイリストを開始したんです。

――ダブルワークは大変だったのでは? ちなみに、本業の就業規定には触れたりしなかったのでしょうか。

副業時代は、朝4時か5時に起きて2時間はネイルチップを作り、日中は秘書としてフルタイムで働く。夜は深夜までネイルの施術という…。死に物狂いの生活でしたね(笑)。

座っていることが多かったので、運動不足解消と基礎体力を維持するために、オフィスのトイレに行くたびにスクワットを30回したり、個室のドアで懸垂をしたり、非常階段の5階分をハイヒールで上り下りしたりして鍛えていました。

ありがたいことに、そんな副業をしている私のことを、社長や周囲の社員も応援してくれて。とてもオープンな環境だったので感謝しています。

――どのようにしてドバイで顧客を獲得していったのでしょうか。

InstagramやTikTokで現地の女の子に向けて宣伝するぐらいしか方法がなくて…。当時は3500円くらいの安価で、長さ出しなし・アート無制限でやっていましたね。1年くらいして、徐々に顧客がつき始めました。

中東では「ギャル文化」が人気

――その後、2022年に独立。ご自身の会社を立ち上げました。軌道に乗り、現在はかなり高価な価格帯で施術されているとお聞きしました。

だんだんと価格を上げていき、現在は平均して日本円にしたら5万円から8万円ほど。中東でも高額な方だと思います。

私が心がけているのは、同じデザインを二度と繰り返さないこと。どんなに難しいデザインの画像を持ち込まれても、「もちろんできますが、必ずこれを超えてみせます。あなただけの唯一無二のネイルにします」とお伝えしています。

お客様の期待以上のものを提供する。お客様も、すべてがオーダーメイドであるということに満足してくださっています。

――お客様はどのような方が多いですか。

日本人のお客様はほぼゼロで、9割以上がドバイや中東の現地の方々です。世界基準で認められるネイリストになりたかったので、最初から現地の人々や海外の人たちに向けてネイルの写真などを発信していました。

ドバイだけでなく、クウェートやサウジアラビア、さらにはアメリカのロサンゼルスやニューヨーク、フランスやイギリス、シンガポールなどにも、出張して施術しています。

――中東のお客様にはどんなデザインが人気ですか。

中東の人たちは日本のアニメを見て育っているので、日本のキャラクター文化が普通に受け入れられているんですね。サンリオのキャラクターや、「ちいかわ」なども人気です。その流れで、平成ギャル文化の「ゴテゴテにデコレーションされたカワイイ爪」は、いま一部のネット文化やファッションに敏感な子たちにものすごく刺さっています。

――中東にも「ギャル」がいるのですね!

私自身はギャルだったわけではないのですが、日本の「ギャル文化」はじわじわ関心が高まってる感じです。これまで中東にはなかった独創的なデザインだったので、一気に火がついた感じです。日本の「カワイイ」や「キャラクター」は本当に世界共通で、根強い人気があるなと思いました。

――森下さんご自身も「ちゃパ」というキャラクターを作られているとか?

私が3歳のころから描き続けているペンギンのキャラクターでして、ただの殴り描きのような絵をキャラクターに昇華させたんです。私の命なのでなりふり構わず、一生をかけて愛で広げ続けています! 今はドバイで事業登録をしてグッズ販売も行なっていて、日本人向けのオンラインショップも立ち上げました。

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