剛腕、壊し屋…政界で異名のある政治家もめっきり少なくなった。5月24日で84歳を迎える小沢一郎氏は魑魅魍魎の政界で数々の修羅場を潜り抜けてきた。
2月の衆院選で落選したものの、引退しない浪人中の小沢氏が3度目の政権交代をあきらめていなかった!
衆院議員当選19回を誇る小沢一郎氏が会長を務めるグループ『一清会』が5月8日、国会近くの東京・元赤坂に新事務所を設けた。
その際、自ら属する中道改革連合(中道)を激しく批判したことで、与党自民党や中道、立憲民主党内などから「新党結成の布石では」との警戒感が広がっている。
政治部デスクが新事務所設立の狙いをこう明かす。
「小沢氏は新事務所開設にあたって記者とのブリーフィングで『中道なんて次の選挙まであるのかという話。みんなの一番の心配はどの政党から出て次の選挙を戦うのか。今、中道で絶対出ると言う人はいない。みんな宙ぶらりん。困り切って、ものすごく不安だ』とバッサリ。つまり、新事務所は、一清会メンバーだけではなく、落選議員、次の選挙に不安を抱える人の拠点にしたいと力説していました」
衆院選大敗、残存は参院含め7人のみ
小沢氏は、2月の衆院選で中道から立候補したが、自民党の藤原崇氏に約2万4000票の大差をつけられ比例復活もできず20回目の当選を果たせなかった。
小沢グループの一清会も22人の国会議員が所属していたが、多くの議員が討ち死にした。残ったのは参院議員を含め計7人(中道衆院議員1人、立憲参院議員6人)のみ。
「小沢氏は、この7人を核に次の選挙に備える腹だ。その第一歩が今回の新事務所の設立です。自らも敗れた衆院選直後は、中道新代表に選出された小川淳也氏に期待する側面もあった。しかし、3カ月以上経ってみると、小川氏は小沢氏と距離を置いた。さらに、小川中道は従来の与党への疑惑追及型から政策論争に軸足を大きく変えた。小沢氏は徐々に小川中道批判をエスカレートさせています」(立憲関係者)
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「腑抜けの野党は存在価値がない」
小沢氏の政治手法は旧民主党や旧立憲が行ってきた与党疑惑追及型。つまり、どんな手段を使ってでも野党は野党として、与党を追い落とすという戦法だ。政策論争などのきれいごとは政治の世界では無力なことを知り尽くしている。与党と戦わない中道執行部の姿勢に対し、こう不満をぶちまけている。
「腑抜けの野党は野党としての存在価値がない。だから国民も政党と思ってないから中道支持率は1%とか2%だ」
ちなみに、5月のNHK世論調査で中道の政党支持率は2.9%、自民党は35・4%だった。
「一部報道で高市早苗首相周辺の人物関与が取り沙汰された仮想通貨『サナエトークン』騒動は、首相の『まったく知らない』の一点張りで沈静化した。また、昨年の自民党総裁選や総選挙候補の誹謗中傷動画を首相周辺がSNSに投稿していたというネガティブキャンペーン疑惑も同様です。首相はこの疑惑に対する国会質問で『一切ない』と否定した。中道の伊佐進一衆院議員や立憲の小西洋之参院議員らが追及したものの、突っ込みは甘いのひと言。これらも中道の疑惑追及より政策論争への転換が大きく影響していると言わざるを得ない」(小沢氏シンパの元議員)
かつて野党だった社会党、社民連に属し『国会の爆弾男』と恐れられた楢崎弥之助氏はロッキード事件、リクルート事件などを厳しく追及した。
「楢崎氏はリクルート事件時、リクルートコスモス社長室長が自身への口封じの贈賄申し込み場面をテレビ局に隠し撮りさせた。決定的瞬間は全国放映され、当時の竹下登首相を退陣に追い込む原動力になった。世論も野党に拍手喝采だった。小沢氏はかように戦う疑惑追及型の野党を中道や立憲に期待していたが、それができないことにうんざりしている」(同)
