自転車事故の75%は、自転車が被害者側
客観的なデータを見てほしい。令和6年(2024年)中の自転車関連事故総件数は6万7531件であり、全交通事故に占める割合は約23.3パーセントである。
注目すべき事実は、自転車側が加害者側となる事故は約1万6776件にすぎず、構成率にして24.8パーセントにとどまることである。裏を返せば、残る約75パーセントの事故において、自転車側は被害者側なのである。
特に全体の8割を占める対自動車の事故においては、圧倒的に自転車側が被害に遭っている。事故の大部分で被害者となる立場の人々に対して、現状の仕組みを当てはめるのは残酷である。
さらに厳しい事実として、113種類もの細かな違反項目を設定し、反則金を取り立てる仕組みを作る前に、行政がやるべき仕事があるはずだ。
安全な道を用意しないまま、市民を追い詰めるのは本末転倒
全国の自転車通行空間の整備延長は4686キロメートルにとどまる。大部分は車道に矢羽根のマークを描いただけの混在型であり、物理的に分離された安全な自転車道はわずか256キロメートル、全体の5.5パーセントにすぎない。
自転車道の整備モデル地区では事故密度が26パーセントも低下したという明確な効果が確認されている。にもかかわらず、安全な道を用意しないまま、市民を追い詰めるのは本末転倒である。
現実の道路環境は絶望的である。例えば、東京の靖国通りから両国橋を渡る道筋において、肝心な場所で自転車用の路面標示がふっと消えてしまう。あるいは、千葉方面から新大橋を渡る際、自転車は手前に歩道方向へ行けと言わんばかりの道路標識があるが、誘導された歩道には自転車に対する標識が見当たらない。結局、自転車で新大橋を渡るにはどこを走ればいいのかがわからない。
道幅が変わり、自動車と一緒に走るべきか、歩道に行くべきか、ひどく迷う場面に直面する。道路の作りが中途半端な状態のまま放置されているのである。お金と時間がかかる道づくりを後回しにし、手軽な罰則強化に逃げているのが現在の姿である。

