急いでいた私の事情
あの日、私は子どもとの約束の時間に間に合わせようと、気持ちばかりが急いていました。頼まれていた限定のガチャは、その日が発売初日。どうしても手に入れたくて、用事の合間を縫って店へ向かったのです。
けれど店の前には、思っていたよりずっと長い列ができていました。最後尾に並んでいたら、約束の時間に間に合わない。そう考えた私は、割り込めそうなすき間を見つけたつもりで、当然のように足を進めてしまいました。
つい口にしてしまった言葉
私が前に入ると、すぐうしろにいた人が「列はうしろですよ」と声をかけてきました。本当はその人が正しいと、頭のどこかではわかっていたはずです。それでも焦りと言い訳が先に立ち、私は振り返ってこう言い放っていました。
「私、子どもを待たせてるの。あなたみたいに暇な人と一緒にしないで。少しくらい順番を譲るのが大人の常識でしょう?」
言ってから、周りの人たちが顔を見合わせているのに気づきました。それでも引っ込みがつかず、私は勝ち誇ったような顔でガチャの前に立ちました。
