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公立を選んでくれた長女に何も買ってあげられなかった日々。20年続けた密かな約束

公立を選んでくれた長女に何も買ってあげられなかった日々。20年続けた密かな約束

2冊の通帳に込めた20年

実は、長女が大学に入学した年から、私は娘名義の通帳に毎月少しずつ積み立てを始めていました。同じ金額を、同じ日に、弟の通帳にも入れ続けたのです。表紙の裏には「姉の結婚資金・夢の応援金」と書きました。いつか娘が独立する日に渡せると信じていたからです。

弟の留学費用で家計が苦しくなった年も、その積み立てだけは止めませんでした。パートを増やし、自分の服を買うのをやめ、夫と協力して20年。それが、説明できなかった私のせめてもの誠意でした。

そして...

長女から「結婚するので実家の私物を取りに帰る」と連絡があった日、私はあの通帳をどう渡そうかと迷っていました。直接手渡したら、また「今さら」と泣かれるかもしれないと思って、結局その日も切り出せずにいたのです。

娘が二階で片付けをしている最中、引き出しを開ける音がしました。あの場所だ、とすぐにわかりました。私は思わず階段を上がります。襖を開けると、娘の手にはあの2冊がありました。私は「ずっと同じだけ愛してたのよ」と伝えました。娘が泣き、私も泣きました。20年言えなかった一言を、ようやく交わすことができた日でした。

(60代女性・パート)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

配信元: ハウコレ

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