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ユーザー規模10倍超の巨大プロジェクト、エンジニアはいかにして乗り越えたか? 大規模BaaS提携を支えた4つの突破口【#ゼロラボ】

ユーザー規模10倍超の巨大プロジェクト、エンジニアはいかにして乗り越えたか? 大規模BaaS提携を支えた4つの突破口【#ゼロラボ】

2. フロントエンド:「ゼロからの構築」を支えた“対話”の力

▲写真:Application Development Headquarters Engineering Division3 原田 一大さん

続いて登壇したフロントエンドエンジニアの原田さんが挑んだのは、アプリを介さずにブラウザだけで金融体験を完結させる「ウェブ金融空間」の構築でした。

「想像以上にタフな状況でした」――ゼロベース開発と大量のバグ

これまでのモバイルアプリの資産が使えない、私たちにとっては全く新しいウェブ開発。福岡と東京に拠点が分かれ、フルリモートで進むプロジェクトは、当初から困難の連続でした。

原田さん「フレームワークは? ディレクトリ構成は? 状態管理は? CI/CDは? 決めることが山積みで、正直『想像以上にタフな状況』の一言でした。でも、せっかくゼロから作るなら、数年間は保守しやすい『綺麗な土台』を作りたい。その想いは譲れませんでした。」

土台を固め、いざ開発が進み始めたテストフェーズ。今度は「直しても直しても湧き出るバグ」という次なる壁が立ちはだかります。

原田さん「文言が違う、レイアウトが崩れる、エラーメッセージすら表示されない……。いつ終わるか分からない不安がありました。」

解決の鍵は「デザインドキュメント」。コードを書く前に合意形成を

この二つの大きな壁を突破した原動力。それは、最新のツールではなく、極めて地道な「コミュニケーションの徹底」でした。

原田さん「拠点が離れているので、すべてのやり取りをSlackやConfluenceに形として残すことを徹底しました。特に効果的だったのが、『デザインドキュメント』の導入です」

これは、コードを書き始める前に、「なぜこの修正をするのか」「どう実装するのか」「完了条件は何か」をドキュメント化し、関係者と合意形成する手法です。

原田さん「実装後に『思っていたのと違う』という手戻りをなくし、レビュアーの負担も劇的に減らせました。結局、コミュニケーションが大事という当たり前の結論ですが、それを徹底し、文化として根付かせたことが、巨大なユーザー規模を迎え入れる『ウェブ金融空間』を支える真の力になったのです」

3. QA:銀行の“重厚な”テストを24時間稼働させるハイブリッド戦略

▲写真:System Design Division Project Management Group 小林 亜美さん

3人目は、QA(品質保証)エンジニアの小林さん。彼女は「銀行のテストはタフで当たり前」という定説に、テクノロジーと戦略で挑みました。

ボトルネックは「BST」。手動テストの限界

お客さまの資産を守るために実際の業務の流れに沿って行う「BST(業務シナリオテスト)」は、銀行システムの品質を支える最後の砦です。しかし、その多くが手動で行われ、準備負担や手戻りリスクから、開発全体のボトルネックになっていました。

小林さん「この重い課題を、どうにかして効率化できないか……。」

小林さんが武器として選んだのは、AIテスト自動化ツールでした。

「100%自動化」は目指さない。逆転の発想が生んだ時間創出効果

しかし、外部システム連携や物理デバイスの操作など、銀行業務のテストには自動化が困難な制約も多く存在します。すべてを自動化しようとすれば、逆にコストが膨らんでしまう。

そこで小林さんが導き出した答えは、「手動と自動のハイブリッド運用」でした。

小林さん「完全自動化は目指さない。制約がある部分は人間が担当し、繰り返し発生する共通手順や、深夜・休日のテストを自動化ツールに任せる。これが最も現実的でした。」

この戦略の最大の強みは、「1日24時間をフル活用できる」点にあります。
日中は人間が複雑な判断を要するテストに集中し、エンジニアが眠っている夜間や休日に、AIテスト自動化ツールが単純なテストを回し続ける。これにより、カレンダー上のテスト期間を劇的に短縮することに成功しました。

小林さん「今回の取り組みは、まだ“一合目”。自動化は導入して終わりではありません。今後は誰でも使えるように標準化を進め、さらなる効率化を進めて山頂を目指します。」

銀行システムの品質を守りながら、いかに開発~テストのスピードを上げていくか。QAチームの挑戦は、まだ始まったばかりです。

配信元: ガジェット通信

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