2024年4月、北海道旭川市の神居大橋の欄干から当時17歳の女子高生Aさん(留萌市)が転落後水死した事件で殺人、不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われた内田梨瑚被告(23)の裁判員裁判の第7回公判が4日、旭川地裁(田中結花裁判長)であった。この日は最後の被告人質問が行われ、弁護側質問の際には「すべて私の責任」などと感極まって落涙。しかし、検察側の質問が自身に不利な内容に及ぶと黙り込む場面が目立ち、被害者参加弁護士からは「不貞腐れている」とダメ出しをくらうなど、罪に向き合う姿勢に改めて疑問符がついた。
「裁判員からは追加の質問は一切出ませんでした」
社会部司法担当デスクがこの日の公判のポイントをこう要約した。
「内田被告は傍聴席の遺族に向かって約1分間、腰を直角に折り曲げた後、弁護側に今後どうやって罪を償っていくのかを問われ『私の身勝手で非常識な言動によってAさんの命を奪ってしまった責任から逃げることなく、自分の思う償いを続けていきます』と泣きながら証言をしました。
殺人と致死については頑なに否定してきた内田被告がついに罪を認めたのかという空気が傍聴席に広がったのも束の間、検察側に涙した理由を聞かれても黙して答えませんでした。
また、犯行後に消防や警察に通報するなどAさんの命を守る行動を取らずに証拠隠滅を図り、共犯者には口裏を合わせたうえで、捜査当局の取り調べには黙秘をするよう指示したことなどを検察側に問われると、『わかりません』などと先祖返りしたような証言を繰り返しました。
さらに『自分がしたことでAさんを亡くならせたことは認めますか』と問われると、『はい』と答えたものの、否認してきた殺人罪と不同意わいせつ致死罪について『意見を変えようと思わないのですか』の問いにも『はい』と答えました。
黙り込んだり、表情の変化から、自分の証言が支離滅裂になっていることを薄々感じていたことは分かりましたが、結局は長期で収監される可能性の高い罪状は絶対に認めたくないという一点は譲れないのでしょう。
どんなに言い訳しても、罪に向き合うような文言の謝罪を並べても遺族には伝わらないだろうし、裁判員にも通らないでしょうね。案の定、裁判員からは追加の質問は一切出ませんでした」
内田被告は変わらず「Aさんに対する殺意は全くありません」
こうした内田被告に対し、弁護側、検察側の後に質問に立った被害者参加弁護士の舌鋒は鋭かった。まず、第6回公判で明らかになったコンビニで内田被告がAさんに対して「ナイフを持っていたら刺していたぐらいに激怒していた」という供述について、こう質した。
以下のやり取りについて、弁護士が「」内田被告が<>で列記する。
「腹立たしかった理由は、『Aさんが店員には助けを求めているのに(自分の)親には助けを求めていないから』ということですが、これはどういう意味ですか」
<私とAさんが通話を開始した時点から、保護者の方と電話を代わるように要求していましたが、合流後も断られていたので、コンビニで店員さんに助けてほしいと言えるのならば、Aさんから保護者の方に助けを求めた方が安心できるんじゃないかなと思いました>
「これが激怒になるというのはどういうこと」
<Aさんの気持ちが理解できませんでした>
「Aさんがあなたにかけた迷惑とは」
<Aさんの当時の考えを、Aさんが私に話してくれなかったことです>
「弁護人の冒頭陳述で、一人で来たAさんにも非があるような主張がありましたが、被告人自身もそう思っているんですか」
<もし誰か一人でも一緒に道の駅に現れていたら、少しは話がまとまったりしたかもしれないと思っています>
「この裁判ではAさんを殺していない、死なせていないという主張ですよね。あなたの主張をもう一度説明してください」
<Aさんに対する殺意は全くありません。私は橋からAさんを落下させていません。ですが、Aさんは亡くなってしまった。その結果は私がAさんと合流してAさんを苦しめた結果だという風に思っています>

