小さな声が大きなうねりへ日本発信の改良
国内でのブランドの浸透と共に欠かせないのが、日本のスキーヤーの声を製品へ反映させることだ。ユーザーの声を受け、改善された象徴的なものとしてスキーのソールが挙げられる。
異素材を埋め込む"ダイカット"と呼ばれる手法。これによって生じる、わずかな段差や音を嫌う日本人の繊細な感覚を高井は本国に伝え続けた。
「スクレーパーをかけるときにカチカチと引っかかるのを、日本人は嫌うことを伝えていたら、ようやくフラットな仕上げを実現してくれた」
という。雪上で映えるグラデーションのソールカラーの採用も、日本からの提案から生まれたという。こうした細かな部分での改良の繋がりがプロダクトの完成度を高めている。
また、ユーザーにとっては気になるギアの価格も、本国と粘り強く話し合い、交渉をするのも大事な業務のひとつだ。
納得のスキーを長く愛せる文化へ
「FACTIONのスキーは頑丈です。5年は間違いなく履けます。だからこそ、どのスキーにするかを悩む時間も楽しんでほしい。納得して手にした一台は愛着が湧き、長く使い続けてもらえますから」
高井が語るように、FACTIONが目指しているのは、売り上げを拡大するだけではない。妙高からギアの良さと"滑る楽しさ"を伝え、次の世代がスキーを続けられる土台を整えていくこと。10年という時間をかけて積み上げてきたこの活動は、日本のスキーカルチャーのなかに、「Faction(仲間)」の形を確かに作り上げている。
