本当のこと
僕は観念して、本当のことを話しました。貯金はほとんど残っていないこと。毎月の支払いを分割で回していること。給料が入っても、その月のうちに消えてしまうこと。
口にするほど、自分の暮らしの危うさがはっきりしていきました。彼女に見せていた「余裕」は、足元に何もない、見せかけの景色だったのです。それを一番わかっていなかったのは、ほかでもない僕自身でした。
そして…
彼女は僕を責めませんでした。ただ、少しさみしそうな顔で「正直に話してくれて、よかった」とだけ言いました。その言葉が、僕にはこたえました。
見栄を張り続けるのは、思っていたよりずっと疲れることでした。貯金額を聞かれたあの瞬間、苦しかったけれど、どこかでほっとしている自分もいたのです。これからは、背伸びした景色ではなく、本当の自分の財布の中身から、彼女と向き合っていきたい。そう思えたことは、確かな前進でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
