イングランド60年の悲願を託された22歳ベリンガム──万能司令塔の成熟
スペインの神童が注目を集める中、イングランドでも若き中心選手が成熟を迎えている。22歳のジュード・ベリンガムだ。名門レアル・マドリードで中心選手としての地位を確立し、かつてのジネディーヌ・ジダンを想起させるそのプレーは、守備の強度、前線への推進力、得点力までを兼ね備えた現代フットボールの理想形と言える。
イングランドにとってW杯優勝は1966年の自国開催以来、実に60年間も遠ざかっている悲願だ。タレントが揃いながらも、あと一歩で世界の頂点を逃し続けてきたフットボールの母国が、今大会こそ呪縛を解き放つことができるか。その鍵を握るのがベリンガムであり、彼の存在はヤマルとは異なる形で「新時代の中心」を象徴している。
27歳エムバペが立ちはだかる“時代の基準点”──完成期の怪物が示す壁
しかし、若き才能が躍り出るその前に、避けて通れない存在がいる。27歳となったフランスのキリアン・エムバペだ。
前回大会の決勝でハットトリックを達成しながらも、メッシ率いるアルゼンチンに一歩及ばなかったエムバペは、今大会、追う側ではなく「次世代が乗り越えるべき基準点」としてピッチに立つ。
19歳で世界一を経験し、27歳というアスリートとしての完全な全盛期を迎えたエムバペは、肉体的にも戦術的にも成熟のピークにある。かつてメッシやロナウドがそうであったように、今度はエムバペ自身がヤマルやベリンガムといった若者たちの前に立ちはだかる存在となる。新星たちが時代を進めるためには、このエムバペという“基準”を超える必要がある。
