糖化と酸化をつないでしまう「老化物質」
つまり、血糖値の急上昇とは、細胞の中で〝過剰な燃焼〟が起き、からだを傷つける物質が大量に発生している状態でもあるのです。
さらに、血糖値が急激に下がるときにも、からだは大きなストレスを受けます。この上がったり下がったりの変動(血糖値スパイク)そのものが、酸化ストレスを増大させるのです。
糖化と酸化。この二つをつなぎ、老化を加速させてしまう物質があります。
それがAGEsです。「エイジス」と読んだりもします。
AGEsとは、日本語で「終末糖化産物」と呼ばれ、糖質とたんぱく質が不可逆的に結合することで体内で生じるものです。
からだをつくる材料の大半はたんぱく質ですが、そこへ食後高血糖などで血糖値が高くなると、たんぱく質と糖質が結合してAGEsができます。
AGEsは、高血糖により、たんぱく質が糖化したものなのです。
血糖値の数値を示す「ヘモグロビンA1c」も、AGEsの一種です。もっと身近な場面では、パンをトーストしたり、グリルでお肉を焼いたりしたときの「こんがり」がAGEsだと考えるとわかりやすいでしょう。
食べ物のAGEsはおいしさのもとになりますが、体内でつくられるAGEsは老化の引き金です。
トーストや焼肉といった食べ物に含まれるAGEsも一部は体内に入るため、こげたものを食べるのはよくないと主張する方がいるのはこの理屈からです。
ただ、高血糖により自らつくり出すAGEsが問題であることは明らかですが、幸いにして、外から摂取するAGEsについては問題を起こすことが証明されていません。いまの時点ではおいしく楽しんで問題ないでしょう。
紫外線対策120%でも、糖質老化対策を怠ると美白は叶わない
先ほど述べたように、体内には本来、抗酸化酵素などがはたらくことで、危険な酸化を抑える抗酸化作用がありますが、AGEsは、自らも酸化ストレスをつくり、また、その抗酸化作用のプロセスを邪魔することも示唆されています。
AGEsが生じてしまうと糖化と酸化は同時進行しやすくなります。
つまり……
高血糖になる→
糖化が起こる→
AGEsができる→
AGEsが酸化ストレスをつくり、かつ、抗酸化作用を邪魔する→
酸化ストレスが増大する→
細胞・臓器障害が生じ、その一環で血糖調節能力も低下する→
さらに高血糖になる→
糖化と酸化がどんどん進む
といったように、糖化と酸化は互いに影響し合い、悪循環を形成します。そして、この悪循環こそが、老化を加速させる最大の要因なのです。
若々しく見えるか、老けて見えるかを左右するもっとも重要な要因は「肌」だったそうです。それは、赤ちゃんと高齢者の顔を見比べれば、一目瞭然ですね。赤ちゃんはシミもシワもない、みずみずしいもち肌ですが、歳を重ねるほどにシミやシワがちらほら出てきて肌はカサカサになります。
肌の老化を進める第一の天敵は、紫外線とも言われています。紫外線は酸化を進めやすく、そのダメージでシミやシワができやすくなり、肌の乾燥も促されます。
そこへ追い打ちをかける第二の天敵が、高血糖でつくられる「AGEs」と言えるでしょう。
見かけに関していうならAGEsはシミとシワの元凶と言っていいかもしれません。
トーストしたパンやグリルした肉が褐色になるように、AGEsも褐色です。それがシミやくすみを濃く見せるという考え方があります。また、肌の土台となる真皮をつくるコラーゲン同士をAGEsが攻撃するとシワが深くなり、張りや弾力も失われるようです。
ですから、仮に日傘や日焼け止め、美白美容液などで万全の紫外線対策をしていても、血糖値が上がりやすい食事でAGEsによる糖質老化が進んでいたとしたら、もったいない話です。
文/山田悟

