・量、質ともに高し
テイクアウトのお店なのでイートインスペースはない。どこで食べようかウロウロした結果、東京国際フォーラムのコンコースにたどり着いた。ここは11時半から14時半まで利用できる無料のテラス席がある。雨の日でも屋根があるのでありがたい。
さっそく黒い容器のフタを開けてみると……。
お! 中身がギッシリ詰まっていて、ものすごい重量感。スパイスの香りがフワッと漂い、食欲を刺激してくる。これで1000円ちょっとなら、かなりコスパが高いんじゃないか?
上にのったワデとオムレツを一旦フタによけて、カレーそのものの味をたしかめよう。
まずは「チキンカレー」から。ホロホロに煮込まれた鶏肉とバスマティライスの相性が抜群だ。時折ピリリと刺激的な辛さが顔を覗かせるが、辛い物苦手な私でも平気な程度で、良いアクセントになっている。
続いてトッピング陣を攻めていく。「ムング豆」と記載があった。これはムング豆のカレーだろう。「緑豆」として知られる豆であり、ほのかに緑色をしており、ホクホクとして優しい甘さだ。
次に玉ねぎの炒め物「シーニサンボウル」、飴色になるまで炒めた玉ねぎに、唐辛子を加えた玉ねぎジャムとでも言おうか。これを食べてなぜか私は脳裏に「洋食」のイメ―ジが湧いた。フレンチの基本となるソースベースに通じるものがある気がする。
「スリランカオムレツ」は本来、青唐辛子や ししとう を入れるそうだ。おそらくこれにも使われていると思うのだが、辛味は全然ない。固めに焼いた卵のパリっとした歯ざわりがいい。
そして最後に「ワデ」、どうやら私はこれとインド料理の「ワダ」を混同していたらしい。ワダはインドの揚げドーナツを指す。豆をすり潰して揚げたもので、こちらも同じような作り方をするようだが、ワダよりもワデの方が密度が濃く固い。
見た目にサクサクしてそうだなと思ったけど、食感はムッチリとしていて食べ応えがある。勝手に軽やかな食感を期待して口にして、違うんかい! となってしまった……。
・そういえば忘れてた…
大満足で容器を片付けようとした時、私の脳裏に店頭にあった看板の文字がフラッシュバックした。
「本場スリランカスタイルカレー スリランカ弁当 よーーく混ぜて召し上り下さい」
……あ! 混ぜるのを完全に忘れてた。そういえば、韓国のビビンバのように、スリランカカレーも色々な具材を混ぜ合わせることで複雑な味が完成する食文化だったはずだ。1つひとつの味を真面目に吟味しすぎて、カレーを少しも混ぜずに食べ終えてしまうとは。痛恨の極み……。
とはいえ、混ぜずに食べても十分に感動できるレベルの美味しさだったことは間違いない。ランチ難民が殺到するのも納得のクオリティだ。次回有楽町を訪れた際は、最初から親の仇のように「よーーく混ぜて」食べてやるぞと、固く心に誓ったのだった。
