ゴールパフォーマンスが、家族と仲間を一つにする

ゴール後には、各チームが考えたゴールパフォーマンスを披露。ゲストの森脇さんや宮間さんも参加者と個性的なゴールパフォーマンスで喜びを共有し、チームの一体感を高めていたこの日のイベントで印象的だったのが、ゴールパフォーマンスだ。各チームは、ゴールが決まると、事前に考えたポーズや動きを披露した。子どもたちが中心になってジャンプするチームもあれば、家族全員で同じポーズを取るチームもある。ゲストもその輪に加わり、ゴールのたびにピッチ上には笑顔が広がった。
ゴールパフォーマンスを一緒に行う中村俊輔さん。これまでの試合ではほとんど見かけないポーズに会場は笑顔が溢れる中村さんは、「自分自身、ゴールパフォーマンスはあまりしてこなかったので(笑)、すごいエネルギーが出た感じがしました」と話した。
森脇さんも、「みんなでアイデアを考えながら、ゴールを喜ぶというのは幸せなこと」と語る。ゴールは個人の得点ではなく、チーム全員でつくった瞬間になる。その喜びを、言葉や体の動きで共有する。だからこそ、普段は一緒にスポーツをする機会が少ない家族同士でも、自然と距離が縮まっていく。
閉会式では、最も印象的なゴールパフォーマンスを披露した5チームに「ゴールパフォーマンス賞」が贈られた。受賞チームの代表者が前に出ると、会場から大きな拍手が送られた。参加者たちが勝敗ではなく、試合を通してつながりを深めたことの表れでもあるだろう。
サッカーを通じて人と人がつながる
ワールドカップに専念するため、イベントは欠席となった森保一監督からサプライズメッセージが ©JFA開会式では、森保一監督からのサプライズメッセージが映像で流されると、参加者は真剣な表情で画面を見つめる。
「サッカー日本代表は、メンバーに選ばれた者や、ピッチに立つ11人だけのものではありません。少しでも心のどこかで気にかけてくれている人たち、その全員が日本代表だと思っています」
イベント参加者によるFIFAワールドカップ2026日本代表選手への寄せ書き。現地の控え室に飾られるというサッカーは、代表選手や競技者だけのものではない。応援する人、家族でボールを蹴る人、初めてピッチに立つ人、年齢や障がいの有無を越えて体を動かす人。その一人ひとりが、サッカー文化を支える存在である。家族で楽しむウォーキングフットボールと、日本代表への応援。一見すると距離があるように見える二つは、「サッカーを通じて人と人がつながる」という一点で結ばれていた。
試合を審判のように進行し、誰もが楽しめるようにムードメーカーもこなすピッチマネージャー。よいプレーにはグリーンカードを出してフェアプレーを讃えることも忘れないキリンホールディングスマーケティング戦略部の泉伸也さんは、このイベントを立ち上げた背景について、「JFAとともに『サッカーの力で社会課題を解決する』という取り組みを進めていて、その中で『誰もが参加できるウォーキングフットボールを通して日本全国で笑顔を増やす取り組みをやっていこう』という話になり、立ち上げました」と経緯を話す。
誰もが参加できる場をつくり、そこで人と人が出会い、笑顔になり、また明日も誰かとつながりたいと思えること。その積み重ねが、社会を少しずつ変えていく。走らなくていい。うまくなくてもいい。大切なのは、誰かと一緒にボールを追い、笑い合うこと。ウォーキングフットボールは、人と人とのつながりを作る様々な可能性を秘めた新しいカタチのスポーツだ。
text by Akihiro Ichiyanagi(Parasapo Lab)
写真提供:JFA
photo by Shunichiro Kai
