奈良県の「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」が、世界文化遺産に登録される見通しであると発表された。「飛鳥・藤原の宮都」とはざっくり言うと、飛鳥時代に日本ではじめて天皇を中心とした中央集権国家が誕生した地、といったところだろうか。
具体的には橿原市(かしはらし)、明日香村(あすかむら)、桜井市に点在する19の資産で構成されている。しかし「19の資産」と言われても、いまひとつピンとこない方も多いはず。そこで今回は地元在住の記者が、世界遺産候補地に限らない、このエリアならではの魅力をお届けできればと思う。
・20年かけて実現
「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録に向けて、随分前から行政などが動いていたことは地元では広く知られていたことと思う。とはいえ、奈良にはすでにいくつかの世界遺産がある。
その上、飛鳥時代という古さゆえに、歴史に造詣が深い人以外にはややイメージしづらい面もあり、記者は「本当に登録されるのだろうか」とも思っていた。
検索してみると登録に向けて動き出したのは2006年とのこと。つまり20年もの歳月を費やして、今回の実現(予定)にこぎ着けたようだ。それだけの時間をかけ、登録に必要な環境や条件をひとつひとつ整えてきたのだろう。まさに満を持しての吉報である。
・アクセスがそこそこ良い
先にイメージしづらいと書いたが、イメージしやすいように街の様子と共にこちらのエリアについて案内をしていきたい。まず「飛鳥・藤原の宮都」ってどこにあるのか、気になりはするけれど県外の人間が気軽に行ける場所なのか。そんなことを思う人もいるだろう。
奈良県の県庁所在地である奈良市は県の北部に位置する。そこから南へ進んだ場所に隣接しているのが、舞台である桜井市、橿原市、明日香村の3市村。桜井市、橿原市、明日香村は隣接しているので、その気になれば1日で横断できる。
奈良市(近鉄奈良)から明日香村(飛鳥)へは、近鉄電車で1時間と少しの距離だ。大都会の便利さにはそれは敵わないが、いずれにも公共交通機関が通っていて、そこそこ使い勝手が良い。
例えば、橿原市の近鉄橿原神宮前駅を拠点に考えてみよう。この駅からは京都方面へも1時間ちょっと(特急であれば1時間かからず)、大阪方面(大阪阿部野橋(天王寺))へは40分ほど、しかも乗り換えなしで移動することができる。
さらには橿原神宮前駅隣の、大和八木駅で降りて特急電車に乗り換えれば、2時間もかからずに伊勢志摩(三重県)や名古屋にだって行けてしまうのだ。どこからでも非常に近い、とは言えないが、各方面からアクセスが割と良い。
