届いたのは、言葉のないピンひとつ
その公園は、付き合い始めた頃に一度だけ二人で立ち寄った場所でした。帰り道に通りかかって、ベンチに座って他愛のない話をした、それだけの記憶です。
特別なイベントの予定なんて聞いていません。どうして急に、待ち合わせの駅から離れたあの場所なのか。私はとりあえず「駅じゃなかったっけ?」と送りました。
返事はなかなか返ってきません。画面を何度も開いては閉じていました。
覚悟を促すような、一言
しばらくして届いたのは、「着いたら話したいことがある」という内容でした。理由も、行き先を変えた訳も書かれていません。頭の中で、悪い想像が次々とつながっていきました。
最近、彼の返信は少しそっけなくて、会う回数も減っていたのです。わざわざ思い出のある場所を選んで、改まって話したいこと。別れ話としか思えませんでした。電車に揺られながら、窓に映る自分の顔がこわばっているのがわかりました。
