「私、AIと付き合ってたの?」
久しぶりに会ったとき、思い切って聞いてみました。
「最近、なんか返事の感じ変わったよね」
彼は少しばつが悪そうに目をそらし、打ち明けました。
「実は、メッセージアプリの返信機能、使ってたんだ」
AIが文面を考えて返してくれる、新しい機能なのだと言います。あの優しい言葉は、彼が打ったものではなかったのです。ひと呼吸おいて、口をついて出ました。
「私、AIと付き合ってたの?」
彼はテーブルのスマホに目を落とし、「ごめん。ちゃんと返したい気持ちはあったんだ。でも、うまく言葉にできなくて」と続けました。
そして...
帰り道、私の心はうまく整理がつきませんでした。あの言葉に確かに救われていたこと。それが彼自身の言葉ではなかったこと。どちらも本当の気持ちでした。
けれど、彼が返したいと思ってくれていたのも、嘘ではないのだと思います。うまく伝えられない人なりに、私を笑顔にしたかった。やり方は不器用で、少しずるかったけれど。
これから彼が、たとえ短くても自分の言葉で返してくれるなら、私はその「うん」のほうがずっと嬉しい。そう伝えてみようと、思える自分がいました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
