決定率21.1%が示す“森保ジャパンの破壊力”──欧州メディアが恐れる効率性
オランダが組織の距離感に苦しむ一方で、森保ジャパンの戦術的な完成度を欧州メディアは高く評価している。米「ESPN」は日本の予選での戦いぶりを「構造による創造性と効率性」と表現。アジア最終予選で積み上げた「51ゴール」という数字の背景にある、188回のチャンス創出と149本のキーパスという圧巻のデータを称賛した。
データが示す日本の得点期待値(xG)は20.9だが、実際のゴール数はそれを遥かに上回る51点。シュート決定率は実に21.1%に達している。今の日本は、引いて守ってカウンターを狙うだけのチームではない。冷徹なまでに「賢くボールを動かし、相手の隙を効率的に突いて仕留める」モダンフットボールの体現者として、世界に恐れられているのだ。
三笘と遠藤、まさかのダブル離脱——試練の淵で欧州メディアが「日本の新インサイド」を絶賛する理由
もちろん、日本にとってもすべてが順風満帆なわけではない。5月に判明した左サイドの魔術師・三笘薫の負傷欠場に続き、6月12日、キャンプ地の米ナッシュビルにて、主将でありチームの絶対的レジスタである遠藤航が左足の怪我悪化により無念の離脱。チームは町野修斗を緊急招集し、板倉滉を新主将に据えるという文字通りの非常事態に直面している。攻守の要を同時に失い、普通ならプラン崩壊と囁かれる局面だが、欧米メディアがそれでも日本の底力を侮らない明確な根拠がある。それが、欧州主要リーグの最前線で圧倒的な格を示し続けている、新たな中心選手たちの存在だ。
その筆頭が、スペインのレアル・ソシエダでチームの絶対的な心臓として君臨する久保建英である。世界最高峰のリーガ・エスパニョーラで日常的にゲームを支配し、局面を一人で切り裂く彼の創造性は、三笘不在の攻撃陣において間違いなく戦術の核となる。
そして、遠藤が抜けた中盤のバランスを司るのが、今季プレミアリーグのクリスタル・パレスで異次元の進化を遂げた鎌田大地だ。彼はW杯予選において、90分あたり2.1タックルという驚異的な数値を叩き出し、攻撃だけでなく「世界基準の守備の防波堤」になれることを完全に証明した。ここに、イングランドのリーズで中盤のダイナモとして走り続ける田中碧が加わる。
久保の圧倒的なチャンスメイク能力と、鎌田・田中のプレミアリーグ仕込みのインテンシティ(プレー強度)が融合した中盤は、遠藤不在の穴を埋めるどころか、より流動的で捕まえどころのない「新たな破壊力」を秘めている。誰か一人のスターに依存せず、欧州のトップステージで磨かれた代わりの主役たちが次々と牙を研いでいるこの選手層の厚さこそが、今の日本が欧州列強から真に畏怖される理由なのだ。
