お小遣い制で回していたはずの我が家
結婚を機に、私は仕事を辞めて家を守ることになりました。お金のことは私がまとめて管理し、夫には毎月決まった額を渡していました。無駄遣いをしない人だと信じていたので、家計簿の数字もきれいに収まっていたのです。
だからこそ、その封筒の差出人を見たとき、何かの間違いだと思いました。中には、夫の名前で借り入れた残高と、返済を求める文面が並んでいました。心当たりはまったくありません。私の知らないお金が、どこかで動いていたのです。
夫が打ち明けた競馬と借金
仕事から帰ってきた夫に、私は封筒を差し出しました。夫はしばらくうつむいたあと、ぽつりとこう言いました。
「……競馬で借金を作った」
お小遣いの範囲では、とても説明のつかない額でした。問いただすうちに、夫がもう一つ隠していたことも見えてきます。
足りない分を、こっそり義母から受け取っていたというのです。私が渡していた小遣いとは別に、毎月のように援助を受けていました。きちんと回していたつもりの我が家には、私の知らない抜け道がいくつもあったのです。
