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テレビウォッチャーが選ぶ2026年上半期「おもしろかったバラエティ」ベスト3 『水ダウ』危険な生放送、有吉弘行の番組で起きたマジ喧嘩

テレビウォッチャーが選ぶ2026年上半期「おもしろかったバラエティ」ベスト3 『水ダウ』危険な生放送、有吉弘行の番組で起きたマジ喧嘩

テレビはまだまだトガっている。心に“刺さった”番組を語るリレー連載「今週のトガりテレビ」。今回は、テレビウォッチャーの飲用てれびが、2026年上半期のバラエティ番組ベスト3を発表する。

後輩に滅多打ちされた出川哲朗が放った言葉

テレビを取り巻くルールは増えた。しかし、ルールが人を縛るほど、人は思い通りにならなくなる。そのおもしろさを、2026年上半期の番組は何度か思い出させてくれた。今年前半におもしろかったバラエティ番組を、3つピックアップしてみたい。

まず、トーク番組から。2月23日から3週にわたって放送された『大悟の芸人領収書』(日本テレビ系)の世代間トークがおもしろかった。

テーマは「お笑い平成世代と令和世代のすれ違いを埋めよう」。平成世代の側では、出川哲朗が「若い世代にゴールデンで冠番組をめざしてほしい」などと彼特有の強いテレビ愛を軸にした主張を熱く繰り広げる。ネットもいいが、テレビでスターになってほしいと。

これに対し、令和世代の蓮見翔(ダウ90000)は「出川さんはお笑いより流行ってる」のだから、出川こそYouTubeなどに出て視聴者を引っ張ってくるべきと主張する。

さらに、森田哲矢(さらば青春の光)は、テレビにしか出ていない出川はもはや怠慢だなどと誇張気味に追撃する。劣勢に立たされた出川。そのリアクションは――

「えぇ…」

令和のルールブックの前での戸惑い。出川が浮かべた予想外の苦笑いは、平成・令和の世代を問わず大きな笑いを生んだ。

正直に言えば、企画自体は「世代対立×テレビ論」という既視感のあるものだ。見飽きていると言ってもいい。

それでも番組がおもしろくなった最大の理由は、やはり出川の存在だろう。言語化が巧みな令和世代との対比もあって、言葉に詰まる姿がおもしろさと共にテレビ愛の深さを引き立てる。

「嫌いな男」から「愛されキャラ」へ、さらにはリアクション芸人のレジェンドへ、平成を通して時代の波に翻弄されてきた出川が、さらなる時代のルールブックの変化に戸惑う姿には、哀愁混じりのおかしみも漂っていた。

「押してくれよ俺を」芸人の心からの叫び

2つ目は、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)。1月21日に放送された、生放送での高野正成(きしたかの)の高飛び込みチャレンジである。

発端は昨年11月放送の企画だった。10メートルの飛び込み台から紙飛行機を投げ、自らプールに飛び込んで紙飛行機をキャッチする番組オリジナル競技。それに参加していた高野は、最後まで一度も飛び込めずにチャレンジを終えていた。

「押してくれよ俺を」

時代的に飛び込みを無理強いするのはあまりよくないという周囲の芸人たちの声に、高野はそう漏らしていた。そこで今回改めて、生放送の舞台が用意されたわけだ。

ただ、高野は今回もなかなか飛び込めない。前回共にチャレンジした芸人らが応援にかけつけるも、やはり飛べない。飛び込み台の端までは行くものの、あと一歩が踏み出せない。

そんな何かが起きそうで起きない様子がずっと続く。画面はほとんど変わらず、小太りの中年男性が飛び込み台の上で逡巡を繰り返しているだけだ。しかし、画面からなぜか目が離せない。

そういえば、『大悟の芸人領収書』で品川祐(品川庄司)はこう語っていた。

「ルールがある競技はそれはそれでおもしろいじゃん。テレビのルールが厳しくなればなるほど、そのなかで何をやるかっていうおもしろはまだテレビの中にもある」

それこそ出川的な「押すなよ」が「押せ」を意味するお約束(ルール)が成立し難い時代。そこで今回、番組側が高野の背中を「押す」ために用意したのが生放送だった。

約60分の放送時間という制限(ルール)のなかに高野を投げ込み、その一部始終を実況中継した。テレビの今日的な制約を、テレビならではの方法で乗り越えていた。

テレビの放送時間が生む緊張感は見る者を引きつけ、高野の人間としてのおもしろさをさらに引き出す。自由のなかでは埋もれてしまう癖や弱さや勇気が、制約のなかで輪郭を持ち始める。時間というルールがあるテレビならではの、おもしろさを感じる企画だった。

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