【俳優たちの素晴らしさ!】
キャストもみんな素晴らしかったです。ヴィルジニーさんはときどき日本語、岡本さんはフランス語のセリフを話しますが違和感なし。そして真理の舞台の主演俳優を演じる長塚京三さんはフランス語を流暢に操り、気品があって素敵。
その息子を演じる黒崎煌代さんは、映画『見はらし世代』『九条の大罪』(Netflix)と出演作が次々高評価の気鋭の若手。俳優たちの演技もとても見応えがあるんです。
【やさしい世界観が希望の道標】
本作の魅力は何より、映画全体を取り巻くやさしい世界と生命力です。
介護士とがん患者が主役で、介護施設が主な舞台と聞くと、介護する側の苦労や介護される側の混乱を想像しがち。明るい気持ちにはなりにくいと思いますが、本作は違います。
映画の後半、マリー=ルーの努力が少しずつ実を結び、施設の庭で穏やかな時間が流れます。真理も医者から「急に具合が悪くなります」と言われた通りに急変しますが、とても落ち着いていて、かつ、最後がくるまできっちり生き抜くという覚悟も感じました。過剰にドラマチックにせず、感動を煽らないところがいい。濱口監督のセンスを感じました。
見終わって、とても穏やかな気持ちになれましたし、希望も感じました。現実に苦しんだり、モヤモヤしていたりしている方にオススメしたい! 濱口竜介ワールドをぜひ体感してください。
執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:© 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners
『急に具合が悪くなる』
2026年6月19日より全国ロードショー
監督:濱口竜介
原作:宮野真生子・磯野真穂著『急に具合が悪くなる』(晶文社)
出演:ヴィルジニー・エフィラ 岡本多緒 長塚京三 黒崎煌代
提供:Soudain JPN Partners フランス=日本=ドイツ=ベルギー合作

