・これこれ、これが見たかったのよ~
続いては、お待ちかねのカプセル充填工程へ。
焙煎・粉砕されたコーヒーが、1杯分ずつカプセルへ充填されていく。
ライン上を流れていくカプセルを見ていると、なんとも言えずかわいい。
完成品としての姿は見慣れているはずなのに、製造途中で見ると妙な愛着が湧いてくる。
小さなカプセルの中には、受け入れから焙煎、粉砕までの工程を経たコーヒーが詰まっているのだ。時間があったら、ずっと見ていたい光景だ~~~。
・味を数字で表す世界
最後に案内していただいたのは、研究開発を行うR&Dセンター。
カフェインの結晶を顕微鏡で覗いた画像(これが意外にもトゲトゲしていた!)や、コンビニ各社のコーヒーを分析した味覚マップなども見せていただいたが、特に印象的だったのが、味や香りを数値化するプロファイル技術だ。
プロファイル技術とは、コーヒーの味や香りを数値化して見える化する技術のこと。「コク」「キレ」「ボディ感」など感覚的な違いもマップ化することで、それぞれの特徴を比較しやすくしているという。
私(夏野)自身、食品メーカーで官能検査や品質評価に関わったことがあるため、こうした感覚を数値化する難しさはなんとなく分かるし、興味をひかれた。
その後、特徴の異なる3種類のコーヒーを試飲させていただいた。
私はそこまでコーヒーに詳しいわけではないが、それぞれの違いははっきり分かる。ただ、「苦味が強い」「香りが華やか」といった印象は持てても、それを正確に言葉で表現するのは意外と難しい。そこで活躍するのがプロファイル技術だ。
その特徴を数値化した味覚マップがこちらである。
見ているうちに思った。これ、コーヒーだけでなく日々のワクワクやモヤモヤも数値化できたら面白いのではないか。「今日はワクワク指数78」「モヤモヤ指数65」みたいな。
人によって感じ方が違うことも、少しは分かりやすくなってハラスメント軽減にもつながるかもしれない。とはいえ、感情まで全部数値化できるようになったら、それはそれで少し味気ない気もする。人間、少しくらい曖昧な方が面白い気もする。
そんなことを考えているうちに、私の好奇心が悪い方向に動き始めた……。
説明してくださったR&DセンターのSさんに、「この3種類を私が適当にブレンドするので、内訳を当ててもらえませんか?」とお願いしてみたのだ。
今思えば、なかなか無茶なお願いである。しかし、そんな無茶ぶりに付き合ってくれたSさん、ありがとうございます……。
カップを傾けたり、香りを確かめたりしながら、しばらく考え込むSさん。そして導き出されたファイナルアンサー。
惜しい! かなり惜しい!
だが、よく考えれば私がお願いしたのは、普段の官能評価とはまったく違う挑戦である。適当にブレンドしたコーヒーの内訳を当ててくださいというのだから、なかなか無茶な話だ。
それでも真剣に向き合ってくれたおかげで、味の違いを人の感覚だけで見極める難しさを実感できた。プロファイル技術が活用される理由も、少し理解できた気がする。
