めくるたびに小さくなる私
束の中の写真は、どれもきれいに印刷されていました。旅先で見た海、宿の窓から眺めた景色、二人で食べた郷土料理。そのどれもが、大きなサイズでくっきりと写っています。彼が一人で写っているものも、同じ大きさです。
けれど私が写っている写真だけが、手のひらにすっぽり収まるほど小さく印刷されていました。並べて見比べてみても、その差は明らかです。何かの手違いだろうかと、私は同じ写真を二度、三度と見返しました。
「そのままにしておいて」
ちょうど部屋に戻ってきた彼に、私はその一枚を見せました。
「これ、私が写ってるやつだけ小さいね」
できるだけ軽い口調で聞いたつもりでした。彼は写真にちらりと目をやると、「それは、そのままにしておいて」とだけ言って、別の部屋へ行ってしまいました。理由は、何も教えてくれません。
私の写りがよくなかったのかもしれない。それとも、大きく残したいと思うほどの存在ではなかったのか。考えれば考えるほど、楽しかったはずの旅行の記憶が、少しずつ色あせていくようでした。
