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「イブラヒモビッチが日本代表を絶賛」は本当か…SNSで数百万表示も一次ソース不明?…法的リスクを弁護士が解説

「イブラヒモビッチが日本代表を絶賛」は本当か…SNSで数百万表示も一次ソース不明?…法的リスクを弁護士が解説

サッカーW杯で、日本代表が快進撃を続けている。初戦のオランダ戦では、強豪相手に一歩も引かず、2-2の引き分け。そして続くチュニジア戦では、4-0の快勝。W杯で存在感を増す日本代表をめぐり、海外レジェンドの絶賛コメントとされる投稿がSNSで拡散されている。しかし、その中には本人の発言と確認できないものもある。たとえ称賛の言葉でも、安易な拡散には注意が必要だ。

サッカー界のレジェンドが日本代表を絶賛?

『ESPN』など海外メディアも、日本代表の戦いぶりを大きく報じている。特にチュニジア戦の4-0勝利については、アジア勢としてW杯史上最大点差の勝利になったこともあり、日本代表は大会序盤の注目チームの一つとなっている。

SNS上でも、日本代表への称賛が相次いでいる。

海外ユーザーからは「日本はもはや侮れない」「組織力が素晴らしい」「誰も対戦したくないチームになっている」といった趣旨のコメントが寄せられている。日本のサッカーファンからすると、思わず顔が緩み、誇らしくなってしまうような言葉ばかりだ。

そんな中で、特に注目を集めているのが、海外の大物サッカー選手や名監督が日本代表を絶賛したとする投稿だ。

たとえば、元スウェーデン代表で、サッカー界のレジェンドとして知られるズラタン・イブラヒモビッチ氏のコメントとして、次のような趣旨の文章がSNSで拡散されている。

「日本をサプライズ・パッケージと呼ぶのをやめるべきだ。こんなパフォーマンスを続けているなら、もうサプライズではなく本物の強豪だ」
「次のラウンドで日本と当たったチームは、どうやって彼らを止めればいいのか途方に暮れるだろう」

また、フランスサッカー界のレジェンド、ティエリ・アンリ氏の発言として、日本代表を「本物の優勝候補」と評し、「4-0の勝利は偶然には起こらない」と称賛する長文コメントも出回っている。

さらに、世界的名将、ジョゼップ・グアルディオラ監督の発言として、「日本はトップテーブルにふさわしい存在だ」「次のラウンドで日本と当たりたいチームは一つもない」といった趣旨のコメントを紹介する投稿もある。

どれも、日本代表の成長を知るファンにとっては、胸が熱くなる内容だ。

実際、こうした投稿には「イブラヒモビッチにここまで言わせる今の日本代表って純粋にすごい」「ズラタンにこう言われるほど日本も強くなったんだ」「世界屈指のストライカーから認められることは、日本サッカーが新たな次元に到達した証明ではないか」と、日本のサッカーファンが歓喜している。

数万件のいいねや、何千件ものリポストを集めている投稿もあり、SNS上では「海外のレジェンドも日本代表を認めている」という空気が広がっている。

しかし、これらのコメントについては注意が必要だ。

発言の根拠となる公式インタビュー、会見映像、海外メディアの記事など、信頼できる一次ソースは確認できていないものが多いのだ。

編集部が確認した範囲では、これらの発言を裏づける公式インタビュー、放送局の全文書き起こし、本人または所属先の公式発信は確認できなかった。

フェイクコメントが飛び交うSNS

さらに、グアルディオラ監督、イブラヒモビッチ氏、アンリ氏の発言として紹介されている文面を比べると、いずれも「日本はサプライズではない」「3-0や4-0でも走り続ける」「次に日本と当たりたいチームはない」といった論旨がよく似ている。

人物名は違うのに、コメントの構成や言い回し、称賛内容が酷似しているのだ。

またこれらの投稿をしているアカウントを見ると、同じような構文で、各国代表チームを著名な選手や監督が称賛したとする投稿を繰り返している。

さらに投稿主アカウントのプロフィールには「Fictional Quotes」と記載されているものもあった。直訳すれば「架空の引用」という意味で、投稿者側はフィクションとして投稿している可能性もある。

もちろん、これらの投稿をすべて明確に「フェイク」だと断定するのも難しいが、少なくとも現時点では、本人の発言と確認された情報として扱うのは危うい。投稿主のプロフィールや投稿内容は、SNS上の表示は変更されたり、アカウント自体が削除される可能性もある。

だが、こうした投稿は日本国内で広く拡散され、あたかも実際の発言であるかのように受け止められている。

SNSなどでフェイクを拡散してしまうことは、たとえ内容がポジティブなものであっても注意が必要である。弁護士の阿部由羅氏に法的な問題点を聞いた。

「一般的に『他人を褒める発言をした』という情報は、その発言をした本人の社会的評価を下げるものとはみなされにくいため、名誉毀損罪が成立する可能性は低いと思われます。

ただし、たとえポジティブな内容であっても、本人のものではない発言を捏造した場合は、人格権侵害などにより本人に対して損害賠償責任を負う可能性があります。また、著名人の名前や肖像を無断で集客に利用している場合は、パブリシティ権侵害による損害賠償責任が生じる可能性があります」

つまり、フェイクコメントを拡散した場合、「褒めているから問題ない」とは言い切れないのだ。

では、このような投稿をリポストしただけでも責任を問われるのか。

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