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野菜嫌いの子どもがキャベツに夢中。富山発「アグリスポーツ合宿」のハッとする効果

野菜嫌いの子どもがキャベツに夢中。富山発「アグリスポーツ合宿」のハッとする効果

農業とスポーツ。一見無関係なこの2つを結びつけ、新たな価値を見出し、さまざまな課題の解決を目指すのが「アグリスポーツ」だ。日本アグリスポーツ協会は、昨今問題となっている耕作放棄地の増加と子どもの食育を課題として、合宿で体験できるアグリスポーツイベントを開催している。小学生を対象とする陸上教室から生まれたという同協会の活動について、会長の西村顕志氏に伺った。

きっかけは親御さんの「子どもが野菜を食べない」という一言

最初は土に抵抗を示していた子どもも、あっという間にみんなと走り回りはじめる

日本アグリスポーツ協会を立ち上げた西村氏は滋賀県出身で、富山大学に進学してから富山県内に住むようになった。陸上競技の富山県記録の保持者でもあり、大学卒業後は実業団で陸上競技の選手として活躍後、引退して同県で小学生向けの陸上競技教室を運営する団体を立ち上げた。あるとき、教室に通う生徒の親御さんがこぼす、こんな声が聞こえてきたという。

「親御さんが言うには、『子どもたちが野菜嫌いで野菜を食べない。そもそもカットされた状態の野菜しか知らず、野菜自体に興味を持たない』のだそうです。

僕はアスリートですから、身体づくりのために食事が重要であることはわかっていますし、自分でいろいろ考えてやってきました。でも、今の子どもたちの中にはそもそも野菜や食事に対して意識が向かない子もいる。それなら、子ども向けの食育講座を開催しようと、スポーツ管理栄養士の方を招いて話をしてもらいました」(西村氏、以下同)

ところが、これがものの見事に滑ってしまい、期待したような結果は出なかった。子どもも親も、わざわざ“栄養のお勉強”をしたかったわけではなかったのだ。

「もっとみんなに野菜の大切さを直接伝えられる方法はないか、と考えていたときに、農家の方と話す機会があって、『耕作放棄地を復活させたい。可能なら復活させるだけではなく、持続可能な形で何かできないだろうか』と相談されました。僕も食育の方法について考えていたので、『じゃあ、走る人と農家がいるんだから、畑を走ってみようか?』と。最初はそんな思いつきでしたが、調べてみるとスポーツと農業を組み合わせた“アグリスポーツ”というものがあることを知り、これをやろう! ということになったのです」

子どもたちをとりこにするアグリスポーツ合宿の魅力

スポーツだと思えば、大きなスコップでの作業もつらくなくなる

滋賀県にある西村氏の実家では家の前に畑があり、農業に従事する父親や祖父が収穫した作物が母親に料理されて食卓に並ぶ毎日だった。一方、富山県は米は作っているものの、野菜の生産量は全国最下位。それを知った西村氏は、なおさら子どもたちに野菜について知ってもらいたい、地産地消で健康な身体をつくることの大事さを学んでもらいたいと思ったのだという。そんな想いから協会では様々なアグリスポーツの取り組みを行っている。

「主な活動は、イベントを開催によるアグリスポーツの普及です。さまざまなスポーツ団体と農業のマッチングや、私立小学校のアグリスポーツのカリキュラムのお手伝いをしたり、協会独自の取組としては“アグリスポーツ合宿”を開催しました」

協会が拠点としているのは、富山県射水市にある耕作放棄地。使ってほしいという依頼があり、“アグリスポーツ合宿”はそこで行われている。耕作放棄地の中心にある古民家に、小学生20名近くが集まる。

「最初にするのは、広い土地でのかけっこです。最近は、公園で走り回ったり、大声を出したりするのはNGとされていますが、合宿では何をしても自由、怒られることはありません。だから、みんなものすごく喜んでいますよ。土の上は虫がいて苦手だという子もいます。もちろん無理強いはしません。『見てて良いよ。やりたくなったらおいで』と言って1~2時間もすれば、だいたいみんな一緒に走っています」

合宿は、さんざん自由に走り回った後に農作業をし、収穫した野菜を使って食事をするという流れになる。農作業は草むしりに始まって、土を耕して畝(うね)を作るなど、子どもだからといって簡単なものに止まらない。

「いきなり農作業をしようというとハードルが高くなるのですが、できれば農業の大変な部分も知ってほしいので、全工程をやってもらうようにしています。チーム分けをして、どのチームがいっぱい獲れるかといったゲームにすれば、走り回ることと農作業を含めて、全てが子どもたちにとって“アグリスポーツ”になります。だから、農作業がキツいなどとは言いませんし、『アグリスポーツ、次はいつやるの?』などと楽しそうに訊いてきますよ」

配信元: パラサポWEB

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