「本当に殺したいほど憎い。最大限の極刑を望みます」2024年10月、北海道の江別市で大学生・長谷知哉さん(20)が集団暴行を受けて死亡した事件。強盗致死などの罪で起訴された男女6名のうち、3名の判決が25日に行われる。遺族が極刑を望むほどに凄惨を極めた彼らの行為、そして彼らが裁判で明かした事件当時の心境を振り返る。
札幌地裁は強盗致死罪の成立を認めた
事件を巡って起訴されたのは、長谷さんの交際相手の八木原亜麻被告(当時20)とその友人の川村被告(当時20)、当時18歳の元アルバイトの川口侑斗被告、同じく当時18歳の元高校生・瀧澤海裕被告、そして当時17歳、16歳だった少年2名の計6名。このうち川村被告、瀧澤被告、当時16歳の少年Dの3名の裁判が5月から札幌地裁で行われてきた。
川村被告ら3人は、24年10月25日から26日にかけ、当時長谷さんと交際していた八木原被告、主犯格の川口被告らと共謀し、江別市の公園で長谷さんに殴る蹴るなどの暴行を加えたうえ、現金やクレジットカードを奪い、長谷さんを死亡させたとされている。
「裁判では、金品を奪った後の暴行が2時間に及ぶ執拗なものだったことが判明した。死亡した長谷さんは、外傷性くも膜下出血、硬膜下出血、腰椎の骨折などの重傷を負い、死因は外傷性ショックだった。全身の血液の20~30%程度が失われ、損傷していないところがないほどのダメージを受けていたという」(社会部記者)
3人は起訴事実を認めており、それぞれの「罪状」と「量刑」が注目されてきた。
「裁判所は6月3日の中間判断で、解剖医の証言や被害者の遺体の状況から『金品を要求したあとの暴行で死亡したと認定できる』として強盗致死罪の成立を認めている。強盗致死罪は原則、死刑か無期拘禁刑と定められている極めて重い罪で、検察側の求刑に注目が集まった」(社会部記者)
3人の裁判はその後、分離。最初に論告求刑が行われたのが、川村被告だった。
「川村被告は八木原被告と同じ釧路市出身で、中学時代は同じ学習塾に通った。高校、大学は別の道に進んだが、アルバイト先のコンビニ店で八木原と再会。“親友”とも呼べる関係になっていったそうだ。
事件当日、川村被告は川口被告ら4人と食事をしていたところ、八木原被告から長谷さんとの別れ話について電話で相談を受け、事件現場となった江別市内の公園に移動。その道中、川村被告は川口被告をたきつけるかのように『(長谷さんは)ボクシングやってるけど大丈夫?』などと事実ではないことを伝えていた」(同前)
検察は川村被告に無期懲役を求刑「役割は重要、原因を作り出した」
公園で最初に暴行を始めたのは川口被告だったが、川村被告も「調子乗んなよ」などと言いながら長谷さんの顔を踏みつけるなどしてこれに同調。さらに、川口被告が「服に血がついた。弁償しろコラ」と長谷さんを脅し始めると、川村被告も一緒になって「ウチもついた。金払え」と金銭を要求した。
「川口被告が長谷さんのクレジットカードを奪うと、川村被告は八木原被告とともにコンビニへ向かい、タバコと弁当を購入。現場に戻った後も、『(八木原被告が)もっとやってって言っている』などと言って、さらに暴行を煽った。川村被告自身も長谷さんの胸や背中を蹴ったり踏んだりし、長谷さんが『もうこれ以上はやめてください』と懇願しているにもかかわらず、執拗に暴行を加えた」(同前)
当時の状況を振り返り、「(川口被告を)止めようと思わなかった」「グロかった」などと語っていた川村被告。
「川村被告は主犯の川口被告との関係について『助けてくれる人が欲しかったので男と付き合っていた』と話す一方で、暴行を止めなかった理由については『キレたら怖いと思っていたから。キレさせたら、私も暴力をふるわれると思っていた』などと語り、いびつな依存関係を垣間見せた」(同前)
弁護側は「状況に流され、他者に同調しただけ」として法定刑よりも軽い懲役13年の有期刑を求めたが、検察側は「強盗や金品の要求は自発的な行為で、同調圧力とは説明できない」「川村被告の役割は重要。原因を作り出した」と指摘。情状酌量の余地はないとして無期懲役を求刑した。

