作って終わりではなく、どう売るか?まで考える
ーーとても自然にそった仕事なのですね。農業のここが大変だと思われることは?
望月 農耕用の機械がないと大変な部分もあるので、お金がかかる部分はありますね。農機具が壊れると修理も専門のところになりますし。自分の場合は、人からもらったりしましたが、初期費用はかかると思います。その割に、収益が保証されているわけではないので、そのあたりのリスクをどう考えるかですね。
田島 いかにお金を稼ぐかという経営の部分は大変です。実家が農業でなければ、土地も含めて、野菜や比較的安いのですが果樹では何千万円もかかる場合もあります。野菜でも決まった収入を得るにはある程度の面積が必要で、そのためには耕作機械やそれを納める場所も必要です。やはり農家を引き継いでやっていくのが普通で、私たちのような初就農は珍しいケースです。

「こばと農園」で5月に収穫されたメークイン
ただ、補助金もあるのでやり方次第で、工夫のしがいはあります。そこを楽しめるかどうかは、自分次第ですね。
農作物を作るのがまず大変ですが売り方も考えないといけません。私の場合は、さいたま市がマーケットで人口もあって困ってはいないのですが、地方都市ではどのように売るかを考える必要があります。どんなものをどこで作ってどこで売るかを考えないといけないのです。自分が取り組んでいる自然栽培や有機栽培の農作物については、さいたま市の市場と相性がよくて、購入したいという人も増えている状況です。
ーーお2人の今後の夢を聞かせてください。
望月 富士山の見えるレモン畑での収穫や自分でレモンを絞ったりといった農業体験も提供できればいいなと思っています。一般にレモンといえばすっぱいというイメージしかなくて、いろんな品種があって味がそれぞれ違うことが知られていません。それをもっと知ってもらいたいと思っています。

化学肥料や化学農薬を使わずに有機物を使って育てたレモンは実が大きくとてもジューシー
レモンを作る人は、とにかく味より多量に作ることを目指す人が多いのです。私は、レモンを味わいに、富士市にゆっくり来てもらって、その味にわくわくしてもらたいです。
将来的にはキッチンカーなども入れて農園で遊べる観光農園をしたいです。さらにそこでいろいろ農業体験のできる公園のような体験型テーマパークにできればなと思います。
田島 自分は、おばあさんになるまでずっと農業をやっていきたくて、細く長くでいいので農業と一緒に人生を歩んでいきたいです。そのなかで、地産地消で「さいたま市でつくったものをさいたま市の人が食べる」という基本的なことを進めていきたいです。それによって作る人も食べる人も幸せになると思います。今、スーパーなどで野菜を買って、誰が作っているかも考えずに野菜をただの食べ物として食べているというのが普通ですよね。野菜を食べるとき、野菜を作っている人を感じられて、さらに知っている農家さんが作った野菜だと満足度がまったく違うのです。それが自分の地域で 作られているものだと自分の地域を知ることになります。
さいたま市は、それができやすい環境なのです。駅の近くは大都市ですが、車で10分も走ると畑が広がっていて地産地消が実現しやすい。そのことをもっと知ってもらいたいと思っています。
