◆ 1938年、巨人―金鯱戦が「満潮ノーゲーム」に…海に沈んだ旧・洲崎球場の幻の公式戦
プロ野球がまだ産声をあげたばかりの1938年3月15日、東京巨人軍―名古屋金鯱軍の公式戦が行われていた東京・江東区の洲崎(すざき)球場で、前代未聞の事態が起きた。試合の途中、グラウンドに大量の水が流れ込んできたのだ。
原因は雨ではない。なんと、海の「満潮」だった。
当時の洲崎球場は東京湾の埋め立て地に建てられており、満潮の時間帯と重なると海水がグラウンドに浸水するという致命的な欠陥を抱えていた。この日の試合は5回裏の途中で続行不能となり、コールドゲームではなくノーゲーム(試合不成立)となった。
雨天中止ならぬ「満潮中止」という、後にも先にも例を見ない珍記録。球場のスペックに海面の高さが関係する公式戦など、現代のドーム全盛期のファンには想像すら難しいだろう。日本の野球史を語るうえで外せない、最古の気象トラブルである。
◆ 天候リスクがペナントレースの行方を左右する
これら5つの事例が示す通り、ドーム球場が主流となった現代プロ野球においても、屋外スタジアムと自然環境の組み合わせは依然として公式戦に甚大な影響を与え続けている。
満潮による浸水や上空からの飛来物といった特殊なアクシデントは極端な例としても、降雨による大量リードの消滅や、過酷なコンディションでの強行、 Shelton、そして公式記録の抹消といった事態は、チームの勝敗や個人のキャリアを物理的に狂わせるリスクを常に孕んでいる。
特に今季は、週明け以降も前線の停滞や度重なる台風の接近が予測されており、各球団にとってはドーム球場と屋外球場の「消化試合数の格差」が後半戦の大きな火種となる可能性が高い。ペナントレースの覇権を握るためには、純然たる戦力だけでなく、天候リスクを見据えた球団フロントのマネジメント能力が今まさに試されている。
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