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森保監督はなぜ「理想の上司」なのか…Z世代が求めるマネジメントとの意外な共通点

森保監督はなぜ「理想の上司」なのか…Z世代が求めるマネジメントとの意外な共通点

「信頼する」「任せる」とは何をすることなのか

そのうえで、方針は自ら示し、行動はチームに委ねる。そして、「凡事徹底」という、特別なことではなく当たり前のことを積み重ねる姿勢をチーム全体の共通理念として掲げている。

もっとも、「信じて任せること」と「放置すること」は、一見するとほとんど区別がつかない。

しかし、部下が「支えられている」と感じて成長するか、「放置された」と感じてモチベーションを失うかは、目に見えない「信頼」の有無によって大きく変わる。

森保氏のマネジメントが、単なる放置と決定的に違うのは、選手一人ひとりをじつによく見ている点にある。

では、何を見れば、「放置」ではなく「信じて任せること」になるのだろうか。そこに、森保氏のマネジメントの本質がある。

見るべきものが何かを知ること

森保氏のマネジメントの肝は、単に選手をよく見ていることではない。「何を見るべきか」を理解したうえで選手を見ていることにある。

森保氏が評価される理由は、ゴールやアシストといった目に見える成果だけでなく、勝つチームをつくるうえで欠かせない、成果として表れにくい貢献まで見ているからだ。

重要なのは、「見ること」そのものではない。スキルやチームプレーといった直接的な成果だけでなく、中長期的に強い組織をつくるために必要な間接的な貢献まで理解し、それを評価の対象としている点にある。

例えば、初招集の塩貝健人について森保氏は、「守備の部分では、ハイスピードで迫力のある守備で貢献してくれた」「前に推進力を持ってボールを運べる」と、得点には直結しない働きを具体的に評価した。数字には表れにくくても、勝敗を左右する要素を見ているのである。

また、1年ぶりに復帰した伊藤洋輝については、「自信と誇りが、オフザピッチ、オンザピッチ、両方に非常に雰囲気に出ていて素晴らしい」と評した。個人の振る舞いがチーム全体の空気に与える影響という、目に見えにくい価値まで評価している。

こうした評価の背景には、「何が組織の成果につながるのか」という明確な判断基準がある。その基準に沿って選手を観察し、具体的な言葉で承認することで、自律的な成長を促している。

森保氏のマネジメントは、「見ること」と「任せること」が注目されがちだ。しかし、その土台にあるのは、「何を見るべきか」を見極める力なのである。

「昨日も遅くまで残っていたね」と声をかける行為ひとつとっても、その意味は大きく変わる。

単に遅くまで会社に残っている姿を見かけて声をかけたのか。それとも、チームのために翌日の準備を率先して引き受ける普段の姿勢まで理解したうえで伝えたのか。

同じ言葉でも、後者であれば「ちゃんと見てもらえている」という実感につながる。一方、表面的な行動だけを見て発した言葉では、その思いは伝わりにくい。

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