"イカの街"として知られる北海道函館市は、7月から夏の観光シーズンを迎えるにあたり2年連続の不漁を記録し、漁師は「このままだと廃業しなきゃダメだ」と死活問題になっている。
初競りが2年連続中止 出漁すれば大赤字
「道南のスルメイカ漁が6月1日に解禁されたんですが、漁獲量が少なく初競りは中止。1回の漁でかかる燃料代はだいたい8万円前後ですから、漁に出れば大赤字です」(漁業ライター)
20年ほど前の函館の漁港では、スルメイカが溢れんばかりに入ったケースがズラリと並び、次々に競りにかけられていた。しかし、漁獲量は年々減少し、2008年に約9000トン水揚げされたスルメイカは、近年は1割にも満たない水準にまで落ち込んでいるのだ。
温暖化・違法操業に加え「黒潮大蛇行」が不漁を促進
「スルメイカの急激な減少は、温暖化と北朝鮮や中国の漁船による違法操業の乱獲が原因といわれてきましたが、近年は2017年以降続いていた『黒潮大蛇行』により稚イカが南に流され、日本沿岸で育ちにくくなっていることが大きな要因とされています」(漁業情報センター関係者)
スルメイカは回遊魚で5月下旬〜8月ごろに多く獲れる。気象庁は今年5月、7年9カ月続いた黒潮大蛇行が終息する兆しがあると発表しており、専門家からは秋以降の漁獲量回復に期待する声も出ている。
