「私の知っている高野さんはすごく真面目で実直でした」
佐藤さんの要求はエスカレートしていき、高野被告は佐藤さんに勧められるがまま消費者金融2社と契約して満額を借り、佐藤さんに送金。
その後も佐藤さんは、<助けて><どうにかして><無理だもん><助けてくれないんだもん>など送金を要求したが、高野被告はそれ以上お金を作ることができず、佐藤さんからの連絡は徐々に途絶えていった。
その頃の高野被告は「助けて」「助けて」「助けて」「鬼怖い」「最初からお金をだまし取ろうとしていたの」などと立て続けにLINEを送った。佐藤さんが高野被告に返済したのは3万円だけだった。。そして(佐藤さんに)民事訴訟まで起こして勝訴するが、結局お金は返済されていない。
証拠調べの間、高野被告は何度も額をハンカチで押さえ、つばを飲み込むしぐさをしていた。そして証拠調べの後、高野被告が通っていた就労継続支援事業所の職員が証人出廷し、次のように証言した。
「高野さんは令和5(2023)年4月から入所されていました。一般就労を目指す前段階で、パソコンを使ったネットショップの経営について学んでいて、施設の中でもいちばん一般就労に近かったと思います。すごくまじめでお仕事の物覚えもよく、一生懸命でした。おとなしい方でしたので他の方とおしゃべりする所はあまり見かけませんでしたが、高野さんが人間関係や仕事で腹を立ててトラブルを起こしたことはありません。
私は約2年間ほぼ毎日支援して接していました。高野さんが悩みを相談してくることはありませんでしたが、元気がない日はたまにありました。事件の数日前も普段とそんなに変わらなかったように思うし、事件当日は出所予定でしたが前日に仕事を休むという連絡をもらっています。
普段の高野さんの様子からは事件を起こすとはとても思えませんでした。私の知っている高野さんはすごく真面目で実直でした。私が証人になることで高野さんの支援になれればと思って証言しました」
午前10時開始の初公判が終わったのは午後4時過ぎ。多くの傍聴人の足取りは重かった。裁判の争点は「量刑」に絞られそうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

