応援してる、と告げて席を立ちました
どんな人なのか、彼は楽しそうに話し始めました。私はおしぼりの角を折りながら、相づちだけを返していました。これ以上ここにいたら、要らないひとことを言ってしまいそうです。コートを手に取り、私は「よかったね。応援してる」と笑いました。彼が何か言いかけたのが見えましたが、私はもう伝票に手を伸ばしていました。
そして...
改札を抜けても、頭にあるのはあのグラスのことだけでした。私の頼み方を覚えていた人が、別の誰かとの恋を私に相談する。その優しさが、いちばんこたえました。応援してる、は嘘ではありません。ただ、もう少しだけ、知らないふりをしていたかったのです。
(20代女性・会社員)
本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
