革の質感は“なめし”と“仕上げ”で決まる
革の種類はもちろん、同じ革でもどんな方法でなめすのか、さらに、なめした革をどんな手法で染色やコーティングで仕上げるのかで、肌触りや着込んだ時に見られるエイジングに大きな差が出てくる。
主ななめし方法
ベジタブルタンニンなめし
植物の樹皮や葉、根などからタンニン成分を取り、それを溶液で溶かした浴槽に皮を浸すことでなめす方法。作業工程が多いため広大な設備が必要で、時間と手間もかかるが、使い込むほどにツヤや風合いが出る。摩耗に強く堅牢で伸びにくく弾力性が少ないのも特徴。
クロムなめし
金属なめしのひとつで、塩基性硫酸クロムを用いて行う方法。ベジタブルタンニンなめしに比べてスピーディになめしを完了できるという利点があり、柔軟性、弾力性、耐熱性、染色性などに優れている。主に大量生産される製品に用いられることが多いなめし方法。
コンビネーションなめし
クロムなめしを施した後に、さらに植物タンニンによって処理するなど、2種類以上のなめし剤を併用して行う方法。手間はかかるが、その分それぞれの欠点を補うことができる。
オイルなめし
なめしの段階や仕上げの段階で革に大量のオイルを含ませる。タンニン、クロムどちらのなめし方法でもこの仕上げが可能だが、性質はそれぞれの特徴がでる。とても柔らかく、シワが出やすいのが特徴。
仕上げの種類
ヌメ革
タンニンなめしをした染色前の革で、タンニンなめし剤により肌色に近いベージュや薄茶色をしている。
ピグメント仕上げ
顔料の多い仕上げ剤を使用し、塗面を厚くすることでもともとの革の表面に入ったキズや色むらをカバーする。
アニリン仕上げ
キメの細かい革本来の銀面模様を活かすため、染料のみを使用して仕上げる方法。高級な革に用いられることが多い。
セミアニリン仕上げ
アニリン仕上げとピグメント仕上げの中間的な方法。自然の銀面を残しながら、キズや色むらをカバーする。
(出典/「CLUB HARLEY 2026年6月号」)