地域によって、調理室の暑さ対策には差
「暑すぎる調理室」の対策をめぐっては、地域によって差も生じている。学校内にある調理室で空調設備設置率が100%に達しているのは山形県、茨城県、富山県、京都府など12府県。財政が豊かな東京都も95.3%と高い。その一方で熊本県は40.4%、神奈川県は53.0%、大阪府は58.2%など、半分ほどしか設置されていない県も目立つ。
さらに調理中の暑さ対策に関するルールも、自治体によって多少異なる部分がある。
前出の小松さんが勤める自治体では、食事後の食器を洗浄する際は、衛生面の問題がないとして「白衣やマスクを着用しなくてもよい」というルールに変わったという。だが、別の自治体の学校の調理室で働く佐藤健斗さん(仮名、30代)は「私が過去に勤務した経験のある自治体では衛生面を考慮し『ネッククーラーを白衣の上につけるのはダメ』といったルールがありました。調理室の実情に応じて、より柔軟な運用になってくれればうれしいです」と願う。
東洋食品の荻久保さんも「調理員には、薄手で風通しのいい白衣やクールベストを支給していますが、それだけでは限界があります。調理員の安全と衛生管理の点からも、国や自治体にはスピード感をもって対応していただければ」と望んでいる。
調理員の小松さん、佐藤さんともに「子どもたちに『おいしかった』と言ってもらえることが一番のやりがい」と語る給食調理。子どもたちの健やかな成長の土台となる食を、これからも持続的・安全に提供していくためにも、足元の環境整備は欠かせない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

