救助袋の訓練経験のある20代教師は「いないと思う」
この判断について2日の会見に同席した北区の福田晴一教育長は、救助袋による脱出は順番に一人ずつしかできず「24人いると多分10分はかかる」ため、煙が部屋に充満しつつあった状態では全員がこれで逃げる余裕はなかったと補足した。
ただ福田教育長は、自分自身は救助袋の実地訓練をしたことがあると言いながら、この経験を持つ教員は「多分今の20代はいないと思います」と実態を話し始めた。
「全員経験(訓練)するには1日で終わらないとか(時間がかかる)。そういう状況で、(訓練で降下するときに摩擦で)やけどをする子もいるんですね。なので、子どもはまずその中に入りたがらない、怖がってるっていう状況もあって、現実的には今(訓練を)やっているところは少ないんじゃないか」(福田教育長)
実際、前出の近所に住む70代の女性も、
「救助袋を使った避難訓練も昔は定期的にやっていたと思います。火事の後、うちの子たちも『昔やったよね』と言っていました。でも近所の人たちは『ここ数年、救助袋の訓練見かけてないよね』と言ってました」
と話す。
滝野川第三小では年間11回の避難訓練を続けてきたというが、近年は救助袋を実際に展開しての脱出訓練はなかったようだ。
今回の火事で、担任は、避難計画に定めた廊下からの避難は煙で阻まれてあきらめ、これも避難計画にある救助袋の使用もせず児童を窓から出し、ひさしの上に退避させた。
北区教育委員会は、
「現場の判断でそのような形で避難行動を行なって、結果として在校児童が全員避難ができたと考えています」(倉林巧・教育振興部長)。
と説明しているが、今回の避難対応は検証するとしている。
また区内の公立学校全校で救助袋の設置訓練を行うことも決めており、救助袋取り扱いの習熟度に改善の余地があると判断したもようだ。
子どもたちは助かったが、事前の避難計画では対応できない状況が生まれていた。
出火を許した管理体制とともに緊急時の動きをどうするか、点検が迫られそうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

