短い返信の裏で
仕事が立て込んで、何をしていても余裕のない日が続いていました。彼女からメッセージが届いても、「うん」「了解」「また決めよう」と雑な返しばかりになっていました。嫌いになったわけではありません。むしろ、このまま彼女の気持ちまで離れていくのではないかと怖くなっていました。引き止めたい。でも、何をどう言えばいいのか分からない。その焦りだけが膨らんでいきました。
「別れない理由」に並べた本音
それで俺は、メモ帳に「別れない理由」と書きました。今思えば、その言葉選びから間違っていたのだと思います。でもそのときは、彼女がいない生活を想像するのが怖くて、失いたくない理由を文字にすれば少し落ち着ける気がしていました。「家事を半分やってくれる」「休みが合う」「ひとりだと生活が荒れる」。並べてみると、ひどく打算的に見えます。けれど俺の中では、それは全部、彼女が自分の生活にどれだけ深く入り込んでいるかという意味でした。
