聞けないまま増えた不安
数日後、彼の部屋で一緒に写真を見ていたとき、私はようやく聞きました。「あの顔が写ってる写真、消したよね」
彼は少し驚いたようにこちらを見ました。責めるつもりはなかったのに、声の出し方が硬くなっていたのだと思います。彼はすぐに言い訳をせず、「気づいてたんだ」とだけ言いました。
その返事で、やっぱりわざと消したのだと分かりました。私は「なんで?」と聞きました。彼は画面を閉じてから、「あれ、君が泣いてるところだったから」と言いました。
そして...
彼は、旅行中に私が少し泣いてしまった場面を写していたのだと説明しました。私自身は、海風で目元をぬぐった程度のつもりでした。でも彼には、無理して笑っている写真に見えたそうです。「あとで見返したときに、嫌な気持ちになるかと思った」と言われました。
その理由を聞いて、すぐに安心したわけではありません。消す前に聞いてほしかった、という気持ちは残りました。けれど、彼が私を隠したかったわけではないと分かり、張りつめていた疑いは少しほどけました。
次は、2人で並んだ顔の見える写真を、私から頼んでみようと思います。消すか残すかを、どちらか1人で決めないためにも。写真に写る表情だけでなく、そのときの気持ちも、ちゃんと2人で話せる関係でいたいです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
