・まさかの手作業
それでもページをめくる手が止まらない最大の理由は、圧倒的かつ超緻密な作画にある。
「AIを使って描いたのでは?」「今後は大手からもそういう漫画が増えていくのだろうか?」
第1話を読みながら私はそんなことを考えたのだが、「ビッコミ」に掲載されている作者・南賀なん先生からの「お知らせ」の中で、驚きの事実が語られていた。
『999号室』は基本的に人力で描いており、なんと背景の線の1本1本はすべて手作業で引いているというのだ。さらに今のところ、3Dや写真を下敷きに描くこともしていないという。
つまりAIどころか、本作はほぼアナログと変わらない膨大な作業量によって生み出されていたのである。
その結果、第1話(76ページ)の完成までに要した期間は丸4カ月。想像以上に制作の裏側は壮絶だったようだ。
・執念が生む迫力
このAI時代にあえて手作業にこだわり、このSNS時代にあえて手紙とコミュニケーションの物語を紡ぐ。
1871号と同じように、なかなか困難な道のりではあるが、それが現在もっとも注目を集める漫画の一つになっているという事実は、なんとも痛快である。
気になった人は、まずは「ビッコミ」で無料公開されている第1話だけでも読んでみてほしい。
集合住宅の階下に広がる真っ暗闇を覗き込むような、底知れぬ迫力にきっと息をのむはずだ。
参考リンク:ビッコミ『999号室』
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
