皇族数の確保策を盛り込んだ皇室典範の改正案が国会に提出されることになった。
与野党の議論では溝は埋まらず、「立法府の総意」は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することと、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える、との両論が併記される玉虫色での決着となったが、政府は突然、皇室典範改正案の中に、養子の子が男子なら皇位継承資格を有するとの条文を盛り込んだ。国民の間では、「愛子さまを天皇に」との声が高まるが、女性・女系天皇は誕生するのか。政府の改正案に野党が反発し、国会が紛糾するのは必至だ。
13党派中7党派が賛成 両論併記の「立法府の総意」決定まで
皇室数確保に関する衆参両院の正副議長と13の党派代表による協議が6月10日に開催された。
皇室典範改正に向け、女性皇族が結婚後も身分を保持する案と、旧宮家の男系男子を養子縁組で皇族にする案の両方を取り入れたものを「立法府の総意」として認めるかの賛否が議論されたが、自民党、日本維新の会、国民民主党、中道改革連合、参政党、公明党、チームみらいの7党派が賛成する一方で、日本共産党、れいわ新選組、社民党、沖縄の風は反対した。立憲民主党は養子縁組案、日本保守党は女性皇族の身分保持案に否定的で、立法府の総意としてまとめることに慎重だった。
賛否が分かれる中、衆参両院の正副議長は、両論を併記し「立法府の総意」として取りまとめ、高市早苗首相に提出した。
森英介衆院議長は記者会見で「誠実に真剣に妥協案を探る熟議を重ねたことにより、立法府の総意にふさわしい取りまとめができた」と評価した。
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養子の子は皇位継承権あり
取りまとめ案では、女性皇族が結婚後も身分を保持する案については、「婚姻後は皇籍を離脱するとの現行制度の下で人生を歩んで来られたことに鑑み、経過措置として、皇族の身分を保持するか否かについて、そのご意向を尊重するなど一定の配慮をすべきである」とする一方で、議論となっていた結婚した女性皇族の配偶者と子に皇族の身分を与えるかどうかについては触れなかった。
旧宮家の男系男子と養子縁組し皇族として迎える案については「昭和22年10月に皇籍を離脱したいわゆる旧11宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々を対象にして、具体的な制度設計を行うものとする」とした上で、養子となり得る者の年齢や養子本人が皇位継承資格を持たないことなどの条件を付けた。
森衆院議長は立法府の総意案がまとまった段階での記者会見で、「養子となった旧11宮家の男子は皇位継承権を持たない。男の子が生まれれば皇位継承権を持つ」と発言し波紋を呼んだ。
森衆院議長は「(養子の男子は)皇位継承資格を有する皇族になるという意味であり、現行法の解釈を述べた」との談話を発表し、火消しに追われた。
