・最期の難関「旧ロシア領事館」
そうこうしているうちに最後に残ったスタンプスポットが「HOTEL 白林 HAKODATE」だった。
かつての旧ロシア領事館で、作中では金塊が隠されたり、鯉登少年の狂言誘拐の舞台になったりと、かなり深くストーリーに関わる重要スポット。現在はリノベーションを経てスモールラグジュアリーホテルになっているそう。
交通至便な元町エリアからは少し離れていて、かつ閑静な住宅街なので駐車場もない。最寄りの停留所まで行ったら、あとは徒歩しかないだろう。
函館は坂の街。それも上るときには身体が斜めになるような、かなりの急勾配で、運動不足の身にはこたえる。作中でも「馬が急な坂を怖がって走らん!!」となり、鯉登パパと鶴見中尉が三輪車で爆走する。夕暮れ時とはいえ結構暑くて、額を汗が流れる。
時々足を止めて休みつつ、ひぃひぃ言いながら坂を上り到着! スタンプラリー、コンプである。プライベート感あふれるラグジュアリーホテルなので所定の時間以外は外来者は館内には入れず、「ゴールデンカムイの展示はありません」と注意書きもある。
しかも前述のとおりスタンプラリーの記念品はすでに配布終了しているので、完全なる自己満足。だけど嬉しい! イベントに参加するうちに、函館の名所を一巡できた。
・ARフォトが楽しすぎる
スタンプラリーとほぼ場所を同じくして、所定のスポットのGPS圏内に入るとキャラクターのARフォト機能が解放される。一度獲得したキャラクターは、函館市内に居る間はいつでも呼び出せる。函館から出ると使えないというのがまた秀逸で、旅の間だけという「特別感」が倍増する。
これがもう、楽しすぎた……!
映画でもアニメでも小説でも、創作作品を愛する人の心を動かすのは「自分がその世界に入り込んだような感覚」、そして「登場人物が実在するかのように感じられる瞬間」ではないだろうか。
最初は縮尺を合わせるのが難しかったものの、慣れてくると現代の街並を背景に、本当にキャラクターがそこに居るようなリアリティのある写真が撮れる。
現実と創作作品の境界線がゆるゆると溶けていく……。
お目汚しなので載せないが、キャラクターと自分の2ショットなんて、まるで一緒に旅行しながら撮った思い出のスナップのようだ。
GPSやARなどのテクノロジーの力が、現実世界に何層ものレイヤーを重ね、場所や物にさまざまな「意味」を与えてくれる。何度も訪れている函館だけれど、これまでで一番楽しい滞在だった。
閉幕までわずか、残りの期間もめいっぱい盛り上がってくれたら嬉しい!
参考リンク:「ゴールデンカムイ 黄金に染まる函館」公式サイト
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
