本音は「毛づくろい+α」で見る必要がある

今回の研究により「舐め合っているから仲良し」と単純に判断するのは、どうやら早計だったことが見えてきました。
同じ一なめが、深い絆の証にもなれば、静かな緊張のサインにもなることが見えてきたからです。
実体を見分けるには、舐めるという行為そのものではなく、それを取り巻くすべて——姿勢、耳の向き、前後の流れ、そして二匹がたどってきた歴史——を、あわせて読むことが手がかりになります。
人間でも同じ肩を叩くという動作が、友好にも威嚇にもなる場合があります。
同様に猫の社会でも同じ舌の一なめが、愛情にも、圧力にもなるのでしょう。
今度あなたの家の2匹が顔を舐め合っているのを見かけたら、体の様子も見てみてください。
耳は倒れていないか、同じポーズで仲良く寝そべった状態にあるか、それとも覆いかぶさるような体勢になっているか・・・。
その小さな観察の先に、猫たちの本当の会話が、隠れているのでしょう。
参考文献
Why do cats groom each other? – Research found that it is not always friendly …
https://www.alphagalileo.org/en-gb/Item-Display/ItemId/274433?returnurl=https://www.alphagalileo.org/en-gb/Item-Display/ItemId/274433
元論文
Unravelling feline social dynamics – A video-based observational study on allogrooming in domestic cats
https://doi.org/10.1016/j.applanim.2026.107038
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部

