◆FIFAはなぜ64カ国へ拡大するのか——インファンティーノの収益130億ドル“肥大化モデル”
「どの国もW杯出場を夢見る権利を持つべきだ」。
インファンティーノ会長は拡大の大義をこう語るが、実際にFIFAが見据えるのは“競技の公平性”よりも“収益の最大化”だ。
2026年大会で出場枠を48カ国へ広げた結果、FIFAの収益は当初予測の110億ドルを大きく上回り、過去最高の130億ドル(約2兆円)に達する見込みとなった。
出場国が増えれば試合数が増え、放映権料・スポンサー料が跳ね上がる。この“成功体験”こそが、FIFAの肥大化路線を止められなくしている。
競技の本質や選手の負担よりも、巨大市場の取り込みと収益構造の拡張を優先するFIFAの商業主義は、64カ国制という“メガ拡大”を正当化する最大の原動力となっている。
◆2030年W杯は3大陸6カ国開催へ——南米vs欧州・アフリカの招致対立と政治的妥協
2030年大会は、1930年ウルグアイ大会から100周年を迎える節目の大会だ。しかし、その開催形式はすでに前代未聞の混迷を極めている。
招致争いでは、「100年前の原点である南米で開くべきだ」と主張するウルグアイ・アルゼンチンら南米勢と、「欧州・アフリカで開催すべきだ」とするスペイン・ポルトガル・モロッコ陣営が激しく対立した。
この利権対立を収めるため、FIFAが提示した“ウルトラC”が、開幕3試合のみ南米(ウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ)で行い、その後は欧州・アフリカへ大会を移す「3大陸6カ国共催」という異例の形式だった。
しかし、この政治的妥協の代償を払うのは選手たちだ。南米で開幕戦を戦った直後に大西洋を渡り、激しい時差調整を経て欧州・アフリカで本番に臨むという過酷な移動は、ただでさえ過密化するスケジュールに拍車をかける。ここに64カ国化による試合数の爆増が加われば、選手の疲弊は避けられない。
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