②とりあえずダメ出し三種盛り
プレゼンでも会議でも商談でも、終わった直後に必ず「3つのダメ出し」を洗い出す習慣をつけましょう。
昔、バーミヤンに「とりあえず三種盛り」というメニューがありましたが、そこから名づけたのが「とりあえずダメ出し三種盛り」です。
この「3」という数がミソです。
1個だと甘くなるし、10個だと続かない。3個がちょうどいいんです。
たとえば、プレゼンの後ならこんな感じです。
・結論を最初に言わなかった。相手の時間を奪った。
・データの根拠が弱かった。「なぜ?」と聞かれたら答えられなかった。
・質問に対して、考える時間が長すぎた。準備不足だった。
商談の後ならこうなるかもしれません。
・相手の課題を深掘りする前に、自社の説明を始めてしまった。
・競合との違いを聞かれて、曖昧な回答しかできなかった。
・次のアクションを明確にせずに終わってしまった。
このように言語化することで、ぼんやりした反省が具体的な改善点になります。
そして次に同じ場面が来たとき、同じ失敗をしなくなる。
このとき、「うまくいったこと」ではなく「ダメだったこと」に焦点を当てるようにしてください。
発明家トーマス・エジソンはこんな名言を残しています。
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」
失敗を記録することは、成功への道筋を見つけることと同じなんです。
ダメ出しをするとき、一つ大事なことがあります。それは「当事者意識を持たない」ことです。
バラエティ番組のワイプ(出演者のリアクションを小窓で映す斜め上の小さい画面)をイメージしてみてください。たとえば、セミナーに登壇して何百人単位の人の前で話している映像を、ワイプからもう一人の自分が眺めているような感じです。
当事者意識を持ってしまうと、ミスした自分を責めてしまいます。なので「外から別の人間として自分のことを見ている」という設定にするのです。
そうすると、「あっ、今のはもうちょっと言い方を変えたほうがいいね。ほら会場の前のほうに座っている人がポカンとしてるよ」とか、「今の言い回しはあまり刺さってないから変えるべきだね」みたいなことが見えてきます。それらをすべてメモしておくのです。
ちなみに、リアルタイムでミスを指摘しつつ、同時に「その指摘をクリアした明るい未来の自分」に意識をフォーカスすることもおすすめします。これをやらないと、セルフダメ出しばかりでは気持ちが滅入ってしまうからです。
③敵の目フィルター
自分に甘くなってしまう人には、この方法がおすすめです。
あなたのことが大嫌いで、あなたの仕事を潰したくてたまらない人を想像してください。
さて、その人はあなたの仕事を見たとき、どこを攻撃してくるでしょうか。
「この資料、何が言いたいかわからない」
「数字の根拠は? 思いつきじゃないの?」
「で、結局どうしてほしいわけ?」
「他の人でもできる仕事だよね、これ」
想像して嫌な気持ちになったかもしれません。でもこうした辛口評価は、上司もクライアントも、口には出さないだけで、実際に誰かの頭の中でつぶやかれている可能性があります。それを「先に自分で気づけるかどうか」が大切です。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、会議で必ず「空席の椅子」を用意していたという話があります。その椅子は「顧客」の席。「この決定を、顧客はどう思うか?」と常に意識するためだそうです。おもしろいですよね。
「敵の目」も同じ発想です。最も厳しい批判者の視点を、先に自分で持っておく。そうすれば、本当の批判が来たときに慌てなくてすみます。
上司が言えなかったことを、自分で言う。
先輩が指摘しなかったことを、自分で指摘する。
これができる人間だけが、誰にも頼らずに成長できます。
もちろん、自分を責めすぎるのはよくありません。でも、多くの現代人は「責めなさすぎ」です。周りが何も言ってくれない分、自分でダメ出しをして補填する必要があります。
敵の目として選ぶ対象は、自分とかけ離れたハイスペックな人よりも「身近な人」のほうがおすすめです。起業家ならば、同業者の中でも自分がその人のポジションを奪える人を設定するといいですね。会社員の方なら、同僚や後輩でもいいでしょう。
文/大坪拓摩 写真/shutterstock

